新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、政府や自治体からの自粛要請が続いています。4月7日には、安倍首相により緊急事態宣言も発令。東京を含む7都府県に関しては向こう1か月間、積極的なリモートワークの活用も含め、出勤社員数のコントロールや時差通勤の自粛が要請されています。
では、どの程度の割合がテレワークやリモート枠ができているのでしょうか。今回は総務省「平成30年通信利用動向調査」や東京都の調査を確認しながら見ていきましょう。
企業のテレワークの導入状況はどうか
平成30年に調査数2106社のうち、「導入している」企業は19.1%、「導入予定がある」が7.2%、「それ以外(導入していない)の企業」は73.7%と、当時の比率で7割超が導入をしていませんでした。
- 「導入している」:19.1%
- 「導入予定がある」:7.2%
- 「それ以外」:73.7%
このタイミングからさらに「導入している」もしくは「導入予定がある」比率は高まっているとは思われますが、1年程度の時間軸では、そこまで大きく進んでいないという見方もできます。
東京都の調査では、2068社への調査において、25.1%が「導入をしている」と答えています。一方で、53.7%が「導入予定はない」としています。
東京都の調査の企業別の結果では、300人以上の企業では、41.2%が「導入している」と答える一方、30-99人の企業では19.2%となっています。
これを見る限りでは、企業規模の小さな状況ではテレワークを実施できていない割合が高いことになります。
また、企業のテレワークの導入状況は産業別に差があります。情報通信業や金融・保険業はその比率は4割弱あります。
その一方で、「サービス業」や「運輸業」というように、人のリアルでの作業や仕事がカギとなる産業ではテレワークは進んでいません。当然といえば当然ですが、これでは在宅勤務を推奨されても実施できないという企業も多いということになります。
サービス業が含まれる第三次産業が国内の就業人口のうちどの程度いるのかを知るために、労働政策研究・研修寄稿の資料を見ればお分かりになると思いますが、その比率は高いです。
2019年の産業別就業者数
では、第3次産業の就業者数はどの程度いるのでしょうか。
ここでは、第1次、第2次、第3次産業別にその人数を見ていきます。
- 第1次産業:222万人
- 第2次産業:1564万人
- 第3次産業:4983万人
このように第3次産業の就業者数は全体の74%を占めていることがわかります。
産業別就業者数を振り返る
では、産業別の就業者数を振り返っておきましょう。
主な産業別に就業者数を見ていきます。
- 農林水産業:222万人
- 鉱業:2万人
- 建設業:499万人
- 卸売小売業:1059万人
- 金融保険、不動産業:295万人
となっており、臨時休業を決めている小売業などの報道はよく目にするようになりましたが、そうした産業の休業インパクトが大きいことはこの就業人口見ればお分りでしょう。
個人のテレワークの実施状況は超低水準に
さて、先ほどの総務省の資料に戻りましょう。
ここでは、企業などに勤める15歳以上の個人から、過去1年間にテレワークの実施経験がある人について見てみましょう。
その「実施した」の比率はわずか、8.5%。それ以外については以下の通り。
- 「実施してみたい」:5.2%
- 「どちらかといえば実施してみたい」:10.8%
調査数が3353人であることを考えれば、それなりのサンプル数といえます。
今回の新型コロナウイルスの影響でどの程度この比率がアップしたかは今後の調査に頼らざるを得ませんが、人との接触を大きく減らすためには、企業の姿勢とインフラの準備が必要といえます。
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