つまり、現在バイアスは計画外の出費を増やし、またその事実を認識できていなければ、さらに衝動的な出費をしてしまう危険性が潜んでいるのです。この研究では、現在バイアスがゲームの課金行動へ及ぼす影響について検証していますが、日常生活でも同じことが言えます。

現在バイアスによる出費の例

①頻繁に外食に行ってしまう

みなさんは友人や会社の同僚と、頻繁に外食や飲み会に行っていませんか? もしあなたが貯金をしたいのであれば、外食や飲み会に行く回数や使う金額をあらかじめ設定しておきましょう。

というのも、親しい友人や同僚との外食は非常に楽しいものなので、具体的な目標額を設定していない限り「今の幸せ」を選ぶ現在バイアスによって、ついつい衝動的な出費につながりやすいので注意が必要です。

②携帯プランの見直し

日常にはみなさんの盲点になるような現在バイアスも潜んでいます。携帯電話プランの料金設定もその一つです。

携帯電話のプランは、自分に合ったプランに定期的に見直しすることにより携帯料金が安くなったり、格安SIMに変更すると今までよりも大幅に料金が抑えられることもあります。しかし、多くの人は携帯料金が今よりも安くなる可能性を知りつつも、実際に手続きをする人はごく少数です。

これも現在バイアスが関係しており、プランの変更が面倒であることや現状維持を好む傾向から、プラン変更を行わない人が多くなっていると言えるでしょう。