ファンケル、3Qは化粧品セグメント売上高が9.9%増加し増収増益 通期予想に変更はなし

2020年1月30日に行われた、株式会社ファンケル2020年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社ファンケル 取締役 上席執行役員 CFO 石神幸宏 氏\n株式会社ファンケル 代表取締役 社長執行役員 CEO 島田和幸 氏

セグメント別実績

石神幸宏氏:経営企画部門を担当しております石神でございます。私からは2020年3月期第3四半期の決算をご報告いたします。

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決算数値のご説明に入る前に、第3四半期の簡単に総括いたします。第3四半期は消費増税の反動減があり難しい四半期でしたが、ほぼ計画通りに着地しました。

インバウンドも2019年10月は台風19号、ラグビーワールドカップ、即位の礼などの影響により、前年を下回ったものの、2019年11月は前年並みまで回復。2019年12月は二桁増収に転じるなど、健闘しています。

それではセグメント別の実績について、第3四半期累計の9ヶ月間の実績でご報告します。売上高は商品事業を中心に好調に推移し、前期比プラス5.8パーセントとなりました。

ファンケル化粧品は、「マイルドクレンジングオイル」など主力製品の好調に加えて、「ディープクリア 洗顔パウダー」や「ビューティブーケ」などの寄与により、前期比プラス9.9パーセントとなりました。

アテニアはスキンケアライン「ドレスリフト」や2019年11月にリニューアル新発売した「スキンクリアクレンズオイル」が好調で、前期比プラス10.7パーセントとなりました。

ボウシャはアルタ、Amazon向けは好調だったものの、北米セフォラ向けが振るわず、前期比マイナス35.2パーセントとなりました。

栄養補助食品事業は、「内脂サポート」「尿酸サポート」などが好調に推移し、前期比プラス2.9パーセントとなりました。

営業利益は増収効果による売上総利益の増加により、前期比プラス17.0パーセントとなりました。

消費増税の影響

消費増税の影響をご説明いたします。消費増税による駆け込み需要は、売上高で約22億円。営業利益で約11億円あったと試算しています。期初段階では駆け込み需要は約16億円と見込んでいましたが、予想以上に多く、第3四半期はその反動が大きくでました。

上期の決算発表時点では、反動減の影響は2019年11月中旬には落ち着いてくると考えていましたが、若干長引いて2019年12月に入ってようやく落ち着きました。

ただし、第2四半期、第3四半期の6ヶ月間累計で見ると、各事業、第1四半期と遜色なく好調な基調は続いています。第4四半期は反動減の影響も一巡していることから、しっかり伸ばせると考えています。

営業利益の増減分析

営業利益の前年差比較についてご説明いたします。経費以外の増減では、売上の増加による粗利の増加が38億4,700万円。原価率の改善による粗利の増加が2億8,400万円となりました。

次にコストの内訳です。広告費を減少させた一方、流通展開の強化に伴い、販促費を増加させたことなどにより、変動費全体では約13億3,100万円増加しました。

人件費は、店舗スタッフを中心とした従業員数の増加により増加しました。その他固定費は、店舗の出店、改装に伴う減価償却費の増加などにより増加。固定費全体では約9億9,300万円の増加となりました。

以上の結果、営業利益は124億7,200万円となりました。

FANCL~ファンケル化粧品~

次に化粧品部門についてご説明します。ファンケルは2019年4月に発売した「ディープクリア 洗顔パウダー」が大変好調に推移しています。2019年10月から生産体制を拡充したものの、依然として十分に需要に応えきれていないため、今春にはラインを増設し、3倍の生産体制へ拡大する計画です。

製品への評価が高く、美容雑誌やWebサイトなど、さまざまなメディアで表彰されており、生活情報誌『LDK』でも酵素洗顔料部門でBEST COSME OF THE YEAR 2019に選ばれました。

「ビューティブーケ」は好調な新規のお客様獲得と、美白エイジングケア「金のブーケライン」の寄与により、二桁成長が続いています。

今期は、スキンケアに次ぐ第2の柱としてヘアケアを考えており、2020年2月には戦略商材、女性用育毛剤「発酵和漢ヘアエッセンス」を発売します。当製品は発酵の力と12種類の和漢植物成分により、抜け毛の予防と育毛を促進します。今後、新規のお客様獲得を図るとともに、スキンケアとのクロスセルにより、さらなる売上拡大を目指します。

「AND MIRAI」はインバウンドを中心に売上が伸長しています。2020年2月には日焼け止めを発売し、ラインナップを拡充します。

Attenir/Boscia

アテニアについてご説明いたします。スキンケアライン「ドレスリフト」は、2019年1月のリニューアル後、お客様数が着実に増加しています。約1年間で42パーセント増加しました。

アテニアで最も大きな売上を誇る「スキンクリア クレンズオイル」を、2019年11月にリニューアル新発売しました。リニューアル後の売上は前年同期比プラス20パーセントと好調に推移しています。

越境ECは本格展開しており、W11の売上は計画比約3倍となりました。「スキンクリア クレンズオイル」にプロモーションを集中し、事前予約から当日まで、人気、話題造成を図りました。今後、アイクリームなどを第2の柱として育成していく方針です。

ボウシャは主要取引先の米国セフォラの不振により苦戦していたものの、前期下期以降に展開を開始したアルタ、Amazonが好調に推移しています。加えて、第4四半期はコストコへの導入が決まり、今期の年間売上は前年実績を上回り、計画も達成する見込みです。

この下期にはアルタ、メイシーズ、コストコなどの新規進出先の売上が、北米セフォラ向けを上回る規模に成長しており、来期以降も増収基調を継続できる見通しです。

パーソナルサプリメント発売

健康食品事業についてご説明します。パーソナルサプリメント「パーソナルワン」を2020年2月20日に発売します。他社が手掛けていない独自マーケットを創造し、競合メーカーからのブランドスイッチとアップセルを図ります。

主なターゲットは、サプリメントに月5,000円以上使用している中高価格帯ユーザーで、サプリメント使用者の約2割に該当します。

この層は、平均4~5品、複数のサプリメントメーカーの製品を摂取しており、自分に本当に合っているのか、過不足はないかなど、不安に感じている方が多いという特徴があります。

そこでファンケルでは、尿検査とWebアンケートから自分に必要な基本栄養素と、健康のお悩みを特定し、お客様お一人おひとりに最適なサプリメントを提供します。これは、豊富な製品ラインナップと高い研究技術力、さらには健康食品と薬の飲み合わせを調べるSDIシステムや、専門知識のある健康カウンセラーを擁するファンケルだからこそ実現した新しいビジネスです。

まずは、健康意識の高いインナーのお客様からご案内したのち、徐々に対象範囲を広げ、将来の事業の柱に育成していきます。

中国サプリメント事業

2018年に引き続き、2019年11月5日から10日まで、中国の上海で行われた第2回中国国際輸入博覧会にブースを出店しました。2019年は新たに中国市場向けに開発した健康食品と薬の飲み合わせを調べる当社独自のSDIシステムをお披露目し、中国中央テレビや新華社など多くのメディアから関心が寄せられました。

来場者数は第2回中国国際輸入博覧会の2倍。目標の1.5倍の1万5,000人に達し、多くの方にご好評いただきました。博覧会には国薬国際のリ総経理に加え、国薬国際の親会社である国薬グループトップのリュウ董事長、No.2のイシ副総経理が来場されました。

国薬グループの経営トップとの関係性が強固になったことは、今後ビジネスを推進するうえで大きな追い風になると考えています。W11の売上は2018年の約13倍と大きく伸長しました。2019年はW11に向け、各プラットフォームでライブ配信を行うなど、事前プロモーションにも力を入れ、大きな成果をあげることができました。

通信販売/直営店舗

チャネル戦略についてご説明いたします。健康食品は定期購入サービスを中心としたビジネスモデルにシフトしていきます。

現在、通販売上の約50パーセントが定期受注で、売上は着実に拡大しています。定期購入は都度購入に比べ、年間購入金額が高いことに加えて、継続率が高いという特徴があります。

2020年1月16日から「ファンケル定期便」としてサービスを拡充するとともに、パソコンやスマホアプリから簡単に申し込みできるよう利便性を向上させました。今後、定期登録促進キャンペーンなどを実施し、さらに、定期の比率を高めていきます。

直営店舗はこの第3四半期も松屋銀座、JR京都伊勢丹、心斎橋本店など、大都市の優良立地に出店しました。2020年1月21日には西日本最大の売上を誇る阪急うめだ本店に新業態店舗を出店しました。

阪急うめだ本店には、既に2階の化粧品フロアに出店しておりますが、この度、7階に国内のお客様に向けた新たな化粧品売り場が設けられたことから、完全カウンセリング販売でパーソナルな製品サービスを提供する新業態を出店しました。

同店舗では、パーソナル化粧品のスキンソリューションを展開するほか、将来的には「パーソナルワン」の提供を計画しています。

それでは次に、島田から説明させていただきます。

通期見通し

島田和幸氏:島田でございます。私からは通期の見通し、及びキリンホールディングスとの取り組みとシナジー効果についてご説明いたします。

まず、通期の見通しについては、新型コロナウイルスにより先行きに不透明感はあるものの、現時点で不確実な要素が多いこと、また、国内を中心に好調な売上のトレンドに変化がないため変更しません。

売上高は、前期比プラス6.9パーセントの1,310億円を見込んでおります。化粧品事業は前期比プラス9.6パーセントの約784億円の見通しです。内訳はファンケル化粧品がプラス8.8パーセント、アテニアがプラス12.9パーセント、ボウシャがプラス6.3パーセントです。栄養補助食品事業は、前期比プラス4.4パーセントの約458億円を計画しております。

営業利益は増収効果による売上総利益の増加により、前期比プラス21.1パーセントの150億円となる見通しです。

ロードマップ

キリンホールディングスとの取り組み、及びシナジー効果についてご説明いたします。2019年8月の資本業務提携以降、両社の研究、マーケティング部門を中心に、商品開発、チャネル・インフラの分野でシナジーを検討してきました。

2024年度にファンケル単独のシナジー効果として、売上高約130億円、営業利益約20億円を目標に取り組みます。

比較的短期間で効果が創出できるものとしては、両社のブランドを活用したコラボ商品の発売と、通販チャネルの相互送客などを推進します。

中期的には両社が既に持っている独自素材を生かした商品の共同開発など、そして長期的には共同研究を推進し、新しい商品、ビジネスに発展をさせていきます。

次に、チャネル、インフラの取り組みからご説明いたします。

チャネル・インフラシナジー

売上シナジーでは、2020年3月からファンケルとキリングループの通販チャネルで相互送客を開始します。例えば、キリングループのお客様にファンケルの通信販売のご案内をしたり、キリングループのサイトでファンケルの化粧品、サプリメントを販売します。

コストシナジーでは、原料資材の調達コストの低減を図ります。現在、他社から調達している原料のうち、キリングループで生産している原料については順次切り替え、調達コストを低減します。

生産面では、2021年3月稼働のファンケルの新サプリメント工場で、キリングループの製品の受託生産を行うことを検討します。ファンケルにとっては工場の稼働率向上による原価低減が見込めます。

また、物流・システムも中長期的にファンケルの関西物流センターや、ファンケルの通販ビジネスのインフラを活用することを幅広く検討していきます。

商品開発シナジー「シナジー創出の取り組み」

商品開発シナジーについてご説明します。健康事業は少子高齢化から発生する健康ニーズに対応し、社会問題、健康問題を解決します。現在、ファンケルの健康事業は3つの方向性で事業成長を目指していますが、キリンと組むことによって、さらに大きな事業に拡大できると考えています。

中心である既存サプリメント事業では、キリンの独自素材を活用した商品開発を推進し、サプリメント市場におけるシェアNo.1を目指します。

また、それらサプリメントユーザーの裾野を拡大するために、「食品・飲料系商品の積極展開」ではキリンの知見を活かし、よりユーザーがトライアルしやすい飲料、食品形態での商品提案を行います。

そして、「パーソナル対応」では両社の技術を活かし、お客様一人ひとりの健康ニーズに応えるパーソナル商品サービスを展開してまいります。

商品開発シナジー「商品展開に向けたステップ」

商品展開に向けたステップをご説明します。まず、最初にシナジーを発揮できるのは、三角形の一番下、食品・飲料の展開によるユーザー層の拡大です。

両社のブランドを最大活用し、2020年中に飲料分野でコラボ商品を2~4品発売をします。2021年以降は、新しいカテゴリーでのコラボや新ブランドの展開も検討します。

食品・飲料の次にシナジー効果が出るのは、既存サプリメント事業です。両社が有するブランドや独自素材を活用した商品開発を行います。

具体的にはキリンが有する免疫対策のプラズマ乳酸菌や、疲れ対策のオルニチンを活用したサプリメントを、2020年後半に発売することを目指します。

さらに2021年以降には、生活習慣病や脳機能など、他社が真似できない中高年層の悩みに対応した商品を開発していきます。

最後に、パーソナルな健康ニーズへの対応では、将来的にファンケルのパーソナルサプリメントに、キリンの出資先である米国Thorne Research社が有する新たな検査技術を活用したビジネス展開を検討していきます。

共同研究(化粧品・健康食品)

次に共同研究についてご説明します。中長期的に、より大きなシナジーを創出するために両社で共同研究に取り組んでおり、現在約15のプロジェクトを立ち上げ、毎週プロジェクトごとに活発に議論をしています。

本日、そのなかから3つの共同研究についてリリースを発表しました。当社のIRサイトに掲載をしておりますのでのちほどご覧ください。

化粧品分野では、キリンが有する素材、技術のライブラリーから、ファンケルの化粧品に応用できるものがないか探索しています。キリンの素材には、アンチエイジングや美白化粧品に応用できる素材が複数あり、現在、ファンケルにて分析・評価を行っています。

この度、キリンの白麹菌に含まれる成分が皮膚の酸化、糖化などの老化を抑制し美肌に導くタンパク質の活性を高めることを発見しました。今後両社の独自素材としてアンチエイジング化粧品や日焼け止めなどに応用を検討するとともに、2021年の主力商品のリニューアルに使用する予定です。

健康食品分野では第1弾として、腸内環境と脳機能に関する共同研究を開始しました。近年、腸内環境はさまざまな生活習慣病に関わりがあることが明らかになってきています。

ファンケルはライフサポートをはじめ、腸内環境の改善を介した生活習慣病予防の研究、キリンは「プラズマ乳酸菌」、「KW乳酸菌」などの免疫研究を行っており、両社で新たな生活習慣病対策サプリメントなどの開発を目指します。

また、認知症高齢者は2025年には高齢者の約5人に1人、約700万人に達すると予想されています。これまでファンケルは「フェルラ酸」、キリンは「熟成ホップ由来苦味酸」「βラクトリン」など、認知症予防の素材研究を進めてきましたが、今後、脳機能に対する幅広い研究を加速し、認知症予防機能を持った新商品を、3年以内に開発することを目指します。

このように、両社の有する技術や知見を共有化し、それぞれが取り組んでいる最先端の研究プラットフォームを活用することで、革新的な商品やサービスにつなげていきます。

最後に、現状とこれからの抱負をお話させていただきます。

ファンケルとキリンの交流は非常によい雰囲気のなかで活発に行われています。研究所、マーケティング部門だけでなく、人事、総務、品質保証、IT、物流、カスタマーセンターに至るまで、全社的に交流を深めています。

また、お互いの事業内容を知るために、2019年11月にはファンケル商品の体験会、また12月にはファンケル全役職者212名を対象に、キリンの横浜工場で合計6回、勉強会を実施しました。2020年1月からは一般従業員向けにも開催しています。

2019年12月末で会長の池森、副会長の宮島が取締役を退任し、1月から新たな経営体制がスタートしました。私は資本業務提携の発表以降、社内で次のことを何度も話してきました。

今までは創業者で大株主、会長の池森さんがよいと言えばそれでよかったかもしれないが、これからは自分たちで考え決めなければならない。創業からの理念は変わらないし、お客様を思う心も変わらない。不益なものは不益なもの。

しかし、私たちの未来は自分たちの手で切り開いていくしかない。大切なのは今とこれからのファンケルになにができるかを、一人ひとりが本気で考え、行動に移していくこと。変えてみよう、やってみようの精神で取り組もう。そう話をしています。

ファンケルは2020年4月7日に創業40周年を迎えます。これまで支えてくださったお客様に感謝し、さらにファンケルに期待していただけるよう、2020年はさまざまな企画を展開します。

化粧品では、日本の美しさをシーズンごとの4つのテーマに込めて、クレンジング、洗顔、メイクなど限定デザインのアイテムを展開します。また、40周年を象徴する商品も発売する予定で、話題抱負な1年になります。

そしていよいよ、来期は中期経営計画実行2020の最終年度です。今後数ヶ月間、新型コロナウイルスの影響が出る可能性もありますが、国内事業を中心にカバーできるよう、スピード感をもって対策を講じていきます。

例えば、ウィルスへの不安から、免疫力をあげるサプリメントへの重要が高まりつつあるため、その兆しを逃さず、お客様が求めている商品をタイムリーに提供することなどで、しっかりとカバーしていきます。

また、国薬国際との越境ECは、むしろファンケルのサプリメントを普及させるチャンスと考えており、積極的に取り組んでいきます。

これを機に、ファンケルの健康食品がしっかりとした機能を持った商品として認知が高まれば、底堅いお客様基盤の構築にも繋がり、さらなる成長のベースとなります。逆境をチャンスと捉え、次の成長のための経営をしっかりと推進してまいります。

ファンケルはこれからも多くのお客様、株主様、市場の期待に応え続けるため、全社一丸となって未来を切り開いてまいります。引き続きご支援のほどお願いいたします。以上でございます。ありがとうございます。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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