たとえば、「30歳で結婚したいから、貯金600万円くらいは貯めておきたい」とか、「28歳までに社会人留学したいから、500万円は用意しなきゃ」などです。目的が定まらないと、貯める意欲が維持できなくなりがちです。

社会人になったばかりの人が挫折しやすい目標は、「老後資金」を貯めようとすること。老後資金を早いうちから貯めておきなさいと言われることがあるとは思いますが、老後資金と言われても漠然としていて、いつから、いくら必要なのかという設定が非常にブレやすいのです。

老後資金の必要額は年金受給額によっても違いますし、定年をいつに設定するかにもよります。定年後も働くかとか、養わなければならない家族が何人かとか、定年後の生活ぶりによっても変わります。こんなに不確実なものを「早めから準備する」ことは本当に難しいのです。

そのため、まずはもう少し早く訪れるはずの結婚やマイホーム購入などに向けて、お金を貯めたほうがいいでしょう。ローンが早く完済できれば老後資金用の貯金にも余裕が出ます。

お金によっぽど余裕があれば老後資金を20代のうちからコツコツ貯めるのもいいのですが、結婚やマイホーム購入などを見越して貯金し、余った分は老後資金すという方法から始めてもいいのです。とにかく、長期的すぎる目標ではなく、5年、10年後くらいに訪れる目標から立てていきましょう。

3. 使える制度を調べておく

新入社員のうちは、お金に関する情報をそれほど多く持ち合わせていないと思います。ただ、まだ仕事が本格的に始まらないうちは時間はあります。その時期にはぜひ、自分が使えるさまざまな制度ついて調べてみてください。

たとえば、身近なところで言えば社会保険や雇用保険のしくみ。所得税や住民税の計算方法、支払時期、支払方法など。完全週休二日制と週休二日制の違いや、正社員、契約社員、派遣社員などという雇用形態の違い、会社の服務規程についても見ておくといいでしょう。