トヨタ自動車、3Q累計は増収増益 日本・北米・欧州でRAV4等の新型車が好調で販売台数も増加

2020年2月6日に行われた、トヨタ自動車株式会社2020年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:トヨタ自動車株式会社 取締役・副社長 Didier Leroy 氏\nトヨタ自動車株式会社 執行役員 白柳正義 氏

連結販売台数(9ヶ月累計)

白柳正義氏:白柳でございます。本日は弊社決算説明会にお越しいただき誠にありがとうございます。また、弊社製品をご愛顧いただいているお客さまをはじめ、弊社をご支援くださっているすべての関係者の皆さまに、厚くお礼申し上げます。

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それでは、2020年3月期第3四半期の決算につきましてお話します。まず、4月から12月までの9ヶ月累計の実績についてご説明いたします。

当期の連結販売台数は、前年同期に比べ12万9000台の増加となる、683万台となりました。これは、RAV4やカローラなどの新型車の販売が、日本、北米、欧州において好調であったことによるものです。

連結決算要約(9ヶ月累計)

当期の連結決算は、売上高が22兆8,301億円。営業利益が2兆587億円。税引前利益が2兆5,157億円。当期純利益が2兆130億円となりました。

連結営業利益増減要因 (9ヶ月累計)

営業利益の増減要因についてご説明いたします。為替変動の影響により、2,500億円の減益となりました。

原価改善の努力は、1,100億円の増益となりました。営業面の努力は、金融事業の収益改善や、販売諸費用の効率化などにより、1,600億円の増益となりました。

諸経費は、TPS、原価の作り込みにより、効率化を進める一方、先端専攻分野における研究開発費を積極的に投入したことなどにより、500億円増加いたしました。

この結果、為替・スワップ評価損益等の影響を除いた営業利益は、2,200億円の増益となりました。

所在地別営業利益 (9ヶ月累計)

所在地別の営業利益について、スライド左側から順にご説明いたします。まず、日本の営業利益は、為替変動の影響などにより、前年同期を116億円下回る1兆2,325億円となりました。

北米の営業利益は、金融事業の増益も含めた営業面の努力、諸経費の低減などにより、前年同期を1,648億円上回る3,285億円となりました。

また、きめ細かくメリハリをつけたインセンティブの効率的な投入、車種軸の総原価改善活動の強化、SUV、トラック系の供給改善努力、工場ごとの生産性改善、全社一丸となった固定費低減など、全方位での活動を推進しております。

欧州の営業利益は、営業面の努力などにより、前年同期を227億円上回る1,097億円となりました。

中国の連結子会社を含むアジアの営業利益は、前年同期を659億円下回る3,291億円となりました。中国元安や、タイバーツ高などによる為替変動の影響を除けば、109億円の増益となっております。

その他地域の営業利益は、為替変動の影響などにより、前年同期を110億円下回る733億円となりました。

中国事業/金融セグメント (9ヶ月累計)

中国事業、および金融セグメントについてご説明いたします。まず中国連結子会社の営業利益は、前年同期を152億円下回る1,167億円となりました。中国元安による為替変動の影響を除けば、244億円の増益となっております。

持分法適用会社の持分法投資損益は、営業面の努力などにより、前年同期を95億円上回る942億円となりました。

金融セグメントについては、融資残高の増加や残価コストの減少などにより、前年同期を441億円上回る3,079億円となりました。

連結販売台数見通し

続きまして、通期見通しについてご説明いたします。連結販売台数は、北米で2万台増加、アジアで2万台減少を見込み、前回見通しを据え置いております。

連結決算見通し要約

次に、連結決算の見通しです。4月以降の為替レートの前提を、ドル105円、ユーロ120円とし、通期の為替レートを、ドル108円、ユーロ121円といたしました。

通期の業績見通しは、売上高が29兆5,000億円。営業利益が2兆5,000億円。税引前利益が2兆9,100億円。当期純利益が2兆3,500億円を見込んでおります。

連結営業利益増減要因(前回差)

前回見通しからの増減要因についてご説明いたします。今回、通期見通しを、前回見通しから1,000億円増益方向に見直し、2兆5,000億円といたしました。内訳につきましては、ご覧のとおりとなっております。

連結営業利益増減要因(前期差)

対前期では、325億円の増益見通しとなっております。引き続き、全社を上げた収益改善活動に全力で取組んでまいります。

このあと、副社長のLeroyからトヨタの販売力強化についてご説明いたします。以上で決算の説明を終わります。ありがとうございました。

1. バランスよい事業展開

Didier Leroy氏:はじめに、私どもの車をご愛顧いただいております世界中のお客さま、一人ひとりのお客さまへ笑顔をお届けするためにご尽力いただきました販売店、仕入先の皆さまに深く感謝申し上げます。

また、日頃よりトヨタを支えていただいております株主の皆さまや、ビジネスパートナーの皆さまをはじめ、すべてのステークホルダーの皆さまに厚く御礼申し上げます。

本日は、当社が販売面の競争力強化に向けて各地域で行っております取組みについてご説明いたします。

2019年のトヨタの販売台数は、971万台となりました。グローバルの自動車市場は縮小し、競争環境が厳しい状況でした。そうしたなかでも、私たちの販売台数は、前年と計画のいずれも上回りました。

2019年アジアの販売台数は、米中貿易摩擦の影響もあり落ち込みましたが、中国や欧州、日本といった他の地域がそれを補いました。

このようにトヨタの成長は、グローバルでバランスの取れた事業を展開する戦略によって支えられています。こうした戦略の結果、私たちのグローバル販売は、安定的に成長しています。

2. お客様に向き合った活動 ー 中国

ここからは、私どもがどのようにお客さまに向き合った活動をしているかについて、各地域の取組みを通じてご紹介申し上げます。

2019年中国では、市場が8パーセント減少いたしましたが、(トヨタは)販売台数を9パーセント増加させることができました。

新型カローラ、レビンの好調な販売による効果がその一因です。TNGAプラットフォームにより、走行性能が格段に向上いたしました。

販売店では、販売員一人ひとりが、車の魅力をお客さまにお示しし、試乗を通じてその魅力を体感していただけるように注力いたしました。

お客さまに向き合った活動の一環として、中古車価格が下がらないように、安易な値下げもいたしませんでした。

こうした活動により、お客さまには、車の品質の高さや燃費効率、性能に加え、リセールバリューも魅力だと感じていただけるようになりました。

一昨年、李克強首相が来日されて以来、中国政府はトヨタの環境技術に関心を寄せてくださっています。パートナーシップを大切にしながら、私どもの技術を活かし、中国の発展のお役に立ちたいと考えています。

2. お客様に向き合った活動 ー 欧州

ヨーロッパ、欧州では、長年の取組みが実りました。将来、環境規制のさらなる強化が見込まれるなか、お客さまのハイブリッド技術へのニーズを、先を見出して、対応してまいりました。

しかし、それは極めて根気のいる選択でもありました。欧州市場はディーゼルが主流。お客さまにとってハイブリッドは未知の技術でした。

まず私たちは、販売店にハイブリッド技術の優位性を理解していただきました。燃費、静粛性、耐久性、ランニング費用などです。また、お客さまにうまくお勧めできるよう、販売員はハイブリッド技術をゼロから学びました。

お客さまは、ハイブリッド技術の優位性に少しずつ気付いてくださいました。そうして、そのお客さまが、ハイブリッド技術の優位性を広める役割を果たしてくださいました。

かつては、ハイブリッド技術を誤解する人たちがいました。壊れたら修理しにくいとか、充電が必要だといった誤解も徐々に払拭されていきました。

私たちは、真摯にお客さまと向き合い、その声を吸い上げて、一歩一歩進んできたのです。ハイブリッドへの移行は、こうしたコツコツとした取組みによって導かれた結果です。

現在、欧州で、トヨタ車、レクサス車を購入してくださるお客さまの半分以上の方々に、ハイブリッド車をお選びいただいております。それが欧州の販売全体を押し上げております。

2. お客様に向き合った活動 ー 北米

北米でも私たちの戦略は、お客さまにしっかりと向き合うことにあります。北米におけるRAV4のハイブリッド比率は、13パーセント程度でした。

私たちは、お客さま、販売店の意見を聞く詳細な調査を行い、ハイブリッド車にパワーの面で劣るイメージがあることを認識しました。

そうした事実を踏まえ、今回の新型RAV4の販売開始にあたって、燃費の良さと、走行性能をより強く打ち出していくことを決めました。

その結果、RAV4のハイブリッドにパワフルな印象を持つお客さまの比率が、27パーセントから38パーセントまで伸びました。

また、RAV4ハイブリッドの販売も伸び、現在のRAV4モデルでは、ハイブリッドの占める割合が25パーセントまで向上しました。

私たちは、どの地域にもハイブリッド車を普及させて、環境のサステナビリティに貢献したいと考えています。お客さまの声に耳を傾け、お客さまのニーズに応える電動車をお届けしてまいります。

2. お客様に向き合った活動 ー 日本

日本では、販売店ネットワークの変革を進めています。未来に向けた挑戦であり、従来の考え方だけにとらわれていては進められません。

お客さまが車に求めるものも変われば、販売の在り方もおのずと変わります。その変革のなか、私たちは、日本のすべての販売店で、トヨタのすべての車をご提供できるようにする取組みを導入しようとしています。

当初は、2025年に向けて導入する予定でした。しかし、この町いちばん活動を強化し、地域のニーズや困りごとに幅広く応えていくには、早い段階から、さまざまな商品サービスを扱う必要があります。そこで、当初の予定から2年前倒しし、今年5月に開始することを決めました。

私は、販売店の代表者の皆さまにお会いして「なんでも話してほしい」とお願いし、取組みに対する本音の意見や懸念を話してもらいました。

多くの販売店の方が、人気車種の供給が追いつかなくなる不安を訴えていました。私たちは、生産体制の調整を行い、備えを着々と進めています。

計画や前例にとらわれず、将来の成長の種をまくことを通じて、これからもお客さまに選んでいただけるトヨタになれるよう、私たち自身を変えていこうと決めたのです。

3. Be Passionate, Create Passion

各国、各地域で、販売に関わるトヨタの従業員が、自分の持ち場で、1台でも多く売ろう、1円でもコストを下げようと販売活動に取組んでいます。

彼らは、仲間たちが直面している販売の苦しさも理解しています。販売に苦戦する地域があれば、自分の地域で挽回しようと考えます。

自分以外の誰かのためにという精神は、全世界のトヨタに根付いています。私は多くの地域を訪れ、数多くのステークホルダーにお会いしています。

私が常に胸ポケットに入れているカードは、私自身がリーダーシップの10の要素をまとめたものです。

このなかでも、特に現場で会った方に伝える言葉があります。fighting sprit、戦う精神と、BE PASSIONATE、情熱的であれという言葉です。

私たちは100年に1度と言われる大変革の波に直面しています。あらゆる手段、努力を尽くし、お客さまが求めるモビリティやサービスを提供し続けなければ、生き残ることはできません。

お客さまの笑顔のために、fighting spirit と情熱を持って、私たちは全力で戦い続けます。

4. 最後に

最後になりますが、ご存知のとおり、2020年1月に米国のCESで、社長の豊田がWoven Cityプロジェクトを発表しました。

このプロジェクトは、リビングラボラトリーであり、未来に向けたスタート地点にすぎません。近く、このプロジェクトに関する情報をお届けできると思います。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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