株式市場の振り返り-反発するも、“半値戻し”さえ達成できず。売買の活況感に復調の兆し。

2016年6月17日(金)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+1.1%の上昇、TOPIXも+0.8%の上昇で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲1.0%下落する続落となりました。新興市場の低迷が顕著です。

日経平均株価は、NY株式市場の上昇や円高進行一服等を受けて、前日比+197円高で寄り付いた後、前場の半ばに一時+340円高まで上昇する場面が見られました。しかし、その後は上値が重くなり、後場には+148円高まで上げ幅を縮めました。結局、大引けも+165円高の15,599円で終わっています。前日は▲485円安の大幅下落でしたが、終わってみれば“半値戻し”も達成できませんでした。

東証1部で上昇したのは1,324銘柄、値下がり552銘柄、変わらず83銘柄でした。東証1部の出来高は23億9,738万株、売買代金は2兆4,745億円(概算)となっています。出来高、売買代金とも久々の高水準だったことが、今後の数少ない期待材料と言えます。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中28業種が上昇、資本財と素材関連に買戻しの動き

東証1部で上昇したのは28業種、下落したのは5業種でした。上昇した業種の中では、輸送用機器や機械などの資本財セクター、鉱業や非鉄金属などの素材セクターが目立ちました。なお、下落業種では小売りなど内需関連セクターが多く見られます。

個別銘柄では、KDDI(9433)、トヨタ自動車(7203)、パナソニック(6752)、アルプス電気(6770)などが大幅上昇となりました。一方、下落した銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、村田製作所(6981)などの下げが目立ちました。同じ業種の中でも、上昇した銘柄と下落した銘柄が好対象になっています。

本日(6月20日)の注目点-為替相場の乱高下リスクを抱えながら、個別銘柄へのフォーカス進む

週明け20日(月)の株式相場は、英国のEU残留・離脱を問う国民投票(23日実施)を控えて、様子見スタンスが強まる中、様々な思惑が交錯して、為替相場が再び乱高下する可能性もあります。輸出関連株の反発が続く場合、深追いすることは少し危険です。一方で、消費再増税後の発表が期待された政府の景気対策は、現時点では、完全に梯子を外された形です。為替相場が不安定だから内需関連株に向かうのも、考え直す必要がありましょう。

17日の相場では、電子部品セクターでアルプス電気が大幅上昇する一方で、村田製作所が値を下げる等、同じ業種内での選別が始まった兆候が見られました。20日も業績好調な個別銘柄にフォーカスする動きが強まると考えられます。

青山 諭志