新興株市場の振り返りーマザーズ指数は▲1%の続落
2016年6月17日の新興株市場は、JASDAQ指数が対前日比+0.3%上昇しましたが、東証マザーズ指数は同▲1.0%の続落となりました。TOPIXが同+0.8上昇したのとは対照的な値動きでした。この日、主要株価指数で前日から下げたのはマザーズ指数と東証REIT指数の2つだけです。
マザーズ市場の出来高は6,946万株、売買代金は1,659億円で、ともに前日から減少しました。値上がり銘柄数は121、値下がり銘柄数は94、変わらずは12銘柄でした。主力銘柄に売り圧力が残り、物色が拡散したことを示唆しています。
ほぼ全面安だがストップ高が4銘柄
マザーズ時価総額トップ3はいずれも続落しました。ミクシィ(2121)が同▲2%、そーせいグループ(4565)が同▲3%、CYBERDYNE(7779)が同▲2%の下落でした。
マザーズでの売買代金上位は、1位がそーせいグループ、2位がブランジスタ(6176)、3位が6月15日新規上場のアトラエ(6194)でした。
マザーズの上昇率トップは最近のマザーズ市場のセンチメントを冷やしてきたアキュセラ(4589)で同+27%上昇、2位が6月16日新規上場の農業総合研究所(3541)で同+22%上昇、3位がGMO TECH(6026)で同+20%上昇でした。
一方、下落率トップはアトラエ(6194)で同▲22%下落、2位はインスペック(6656)で同▲15%下落、3位はアンジェス MG(4563)で同▲13%下落でした。
なお、ストップ高をつけた銘柄は5銘柄、ストップ安が1銘柄です。
6月20日の着眼点
6月16日の急落でマザーズ指数は1,000ポイントを割り込みましたが、6月17日も続落し950.33ポイントで引けたことから、反発して1,000ポイントを超えていくにはもう少しエネルギーが必要になるという印象です。バイオ銘柄は相変わらず値動きが荒いうえ、アキュセラの経験から投資家はより短期の値幅取りに集中していきそうです。上昇銘柄が多数にもかかわらず指数が下げたのは参加者の物色対象に対する気迷いを反映しているかもしれません。この日は、エナリス(6079)、フリークアウト(6094)、エボラブルアジア(6191)など時価総額200~300億円の銘柄が物色されています。もともとマザーズ市場は為替などの影響を受けにくい成長企業の集団で、投資家の目先の投資対象として悪くない市場です。この規模の銘柄がしっかりできるかが当面のポイントになりそうです。
LIMO編集部