また、日頃から通信教材を利用している子供たちは、3月に習うはずだった単元を教材で学んだり復習をするなど、休校の間も勉強する機会があります。

こうした子供たちに比べ、学校の授業で勉強し、家庭学習といえば学校の宿題のみという場合は、1カ月以上に及ぶ予期せぬ休みで極端に勉強時間が少なくなってしまうでしょう。家庭学習の習慣がなければ、いくら親がドリルや問題集を買っても子供は手を伸ばそうとはしないものです。

今回のことで、学校の存在は子供たちの生活リズムを整える大きな柱であり、勉強の場を与える重要な場所でもあることを再認識した方は多いはずです。

勉強する子は1日数時間し、勉強しない子は1カ月以上の休みに鉛筆も持つことなく過ごすとなると、平等に与えられた一斉休校の時間は、悪い意味で格差を助長してしまう要因にもなりかねません。

休校で生じる子供間の格差拡大は避けられない?

一斉休校では、勉強だけに限らず、給食がないことで起きる栄養の偏り、さらに運動不足などといった影響を子供たちに及ぼすことも心配されます。また、家庭環境の違いを起因とする学力格差が新年度に授業が再開されるまで広がっていく懸念があります。

政府は一斉休校要請の延長はしないと発表しましたが、感染者数の推移によっては新年度がずれ込む地域も出てくると思われます。このように、休みのゴールが流動的というのも大きな不安要素です。

家庭で学校と同じことを再現することは不可能に近いですが、勉強機会を与えるなど学校再開までに家庭でできることを行っていく工夫が大切なのではないでしょうか。

中山 まち子