新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、全国の小中学校、高校や大学で卒業式の中止や延期、さらにはSkypeなどを通じた遠隔による卒業式が目立っています。卒業式という晴れがましいお祝いのイベントができなくなってしまうのは残念ですが、そうした卒業の時期にふさわしい「卒業ソング」は、いつの時代もこの季節を盛り上げてくれます。
27年間続くランキング形式の音楽番組『COUNT DOWN TV(CDTV)』で先日放送された特番では、「卒業ソング音楽祭」と題し、世代を超えたアーティストによる卒業ソングの特集をしていましたが、ご覧になった方もいるのではないでしょうか。この記事では、世代別に見る定番の卒業ソングを、SNS上で見られるつぶやきとともにご紹介します。
黒板なんか書き写すより……10代の定番卒業ソング
・『サヨナラの意味』乃木坂46
「高校の卒業式でサヨナラの意味流れて嬉しかった」
「乃木坂46サヨナラの意味ストーリーに出したところ下級生に卒業式で歌う予定だった。と、今更伝えられとてつもなく悲しくなった。今日この頃」
乃木坂46の1期生として第一線で活躍されていたメンバーの橋本奈々未さんが、ラジオでこの曲で初めてセンターを務めることを発表したと同時に、グループからの卒業と芸能界からの引退を発表したことでも話題になりました。アイドルの卒業も、学生が卒業するときのような寂しさと「がんばれ!」と背中を押したくなる気持ちにさせられますね。
・『青春フォトグラフ』Little Glee Monster
「青春フォトグラフ!卒業ソングといったらこれよなぁ」
「給食のリクエスト音楽(卒業ソング)でリトグリの青春フォトグラフ流れた!!班員みんなが「書くことない」って言ったけん「青春フォトグラフって書いて」って言って書いてもらったら普通にリトグリ流れて嬉しかった」
Little Glee Monsterは、若者を中心に人気を集める女性ボーカルグループで、略称は「リトグリ」。この曲の作詞は、Superflyの『愛を込めて花束を』などを手がけた、いしわたり淳士。「黒板なんか書き写すより想い出を書き留めればよかった」。ありふれた毎日でも、振り返れば宝物だと思える気持ちを描いた、ファンからの人気も高い楽曲です。
中学校の校長先生が作った曲が全国の定番曲に……20代の定番卒業ソング
・『YELL』いきものがかり
「いきものがかりと言えばいつかの卒業式でまぁまぁガチ目に練習させられたYELLが懐かしい。本番号泣でほぼ歌えなかったやつ。笑」
NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲でもあり、合唱曲としても定番の卒業ソング。小田急小田原本線の本厚木駅の電車接近時のメロディとしても使われています。
・『旅立ちの日に』合唱曲
「卒業ソングの季節か。そういえば『旅立ちの日に』って曲を知らなかったので、これがCMで流れた時、「SMAPの新曲かあ。いい曲だ」と思ったのは僕だけじゃないはず(?)」
今や、卒業式で歌う合唱曲の定番ソングですが、世代によっては知らない方も多いはず。もとは、1991年、埼玉県秩父市の中学校の校長先生が作詞、音楽の先生が作曲したオリジナルソングで、その中学校だけで歌われていた合唱曲でしたが、次第にまわりの小中学校でも歌われるようになり、雑誌に取り上げられたことがきっかけとなって、全国の学校で歌われるようになったのだとか。SMAPなど、さまざまなアーティストにもカバーされて歌われています。
口ずさみたくなる「ヒュルリーラ」……30代の定番卒業ソング
・『桜』コブクロ
「コブクロの桜は卒業式の後に歌ったら涙だらだらになるぞ。俺が中学の卒業式の後にクラスで歌ったから(笑)」
「大学の卒業式が中止になった長女が煎餅食べながらCDTVを観てる、コブクロの「桜」一緒にハモってる。♪うー、うー、うー」
卒業の季節といえば桜の花。寒い冬を耐えて、目一杯に咲く桜が、春の強い風に吹かれて舞い散っているのを見ると、どこか切ない気持ちになりますよね。「日本人は、桜の花にいろんな思いを抱いている」ということに改めて気づきます。サビの最後に出てくる「咲く Love」というフレーズが、「桜」とかかっていて、この曲がラブソングだということわかりますね。
・『さくら』ケツメイシ
「(CDTV卒業ソングスペシャルにてケツメイシの「さくら」が流れて)
僕「いや、ケツメイシのさくらは恋の曲であって卒業ソングではないやろ」
嫁「恋と卒業は人によっては関係めっちゃあるやろ。あなたには縁がなかったかもしれないけど」
僕「辛辣!!!!!!!!!」」
「ヒュルリーラ」というリフレインが耳に残るケツメイシのさくら。こちらは、「卒業」とは直接関係のない「恋」の歌ですが、たしかに、恋愛と卒業は切っても切れない関係かもしれません。第二ボタン、上京、卒業アルバムの寄せ書き……などなど、恋が終わったり、恋が始まったりする季節にぴったりの歌です。
・『3月9日』レミオロメン
「卒業ソングと言えば自分の中ではレミオロメンの『3月9日』やね」
「卒業式で担任がウクレレで3月9日弾き語りしてラーラーのところ思いっきし音程外してて笑ってしまったwww」
「3月9日が卒業ソングってことには納得してない」
この年代では、卒業ソングの定番と捉えている人も多いのですが、この歌、本来は、メンバーの共通の友人の結婚を祝して制作した楽曲なのだとか。ミュージックビデオは、結婚式を舞台にしたドラマ仕立てのものになっていて、若い頃の堀北真希が出演していることで話題にもなりました。
愛が芽生えたJuly! 最初のKiss!……40代の定番卒業ソング
・『My Graduation』SPEED
「たまたまSPEEDのPV集流しながら作業してたけど、ちょっとグッと来た。今年卒業の子らは、この曲で歌われてる心づもりや切なさも全部奪われたんだよなー……としみじみ(´・ω・`)」
導入は、スローテンポな曲調ながらも、煽るようにサビに入ると、ラップテイストなダンスポップになるSPEEDの代表曲。タイトルに、「graduation(卒業)」と入っていますが、実は歌詞の中には卒業を連想させる言葉はありません。サビの「ずっと忘れない 離れてもくじけない 生きていく 今日から」からもわかるように、付き合っていた男性と別れ、自立することを「卒業」と重ね、歌っている「失恋ソング」なのです。当時は誰が、今井絵理子が政治家になると予想したことでしょう。
・『遠く遠く』槇原敬之
「遠く遠く好き~(●♡ᴗ♡●)中学の卒業式流してもらったなぁ。先生をマッキーファンにさせて(笑)」
逮捕によって思わぬ方向から話題になっているマッキーですが、いずれにしても彼の作った曲には罪はありません。地元を離れ、新しい場所で「力いっぱい輝ける日」を迎えるべく、頑張っていこうというメッセージに背中を押された方も多いはずです。
夜の校舎窓ガラス壊してまわった……50代の定番卒業ソング
・『卒業』斉藤由貴
「私は、この時期に斉藤由貴さんの「卒業」を聴くと、いまだに胸がきゅんとします。いいおっさんなのにw」
松本隆と筒美京平というスーパータッグによる斉藤由貴のデビューシングル。叙情的な詞で、少し大人だけれど、卒業という節目にちゃんと立ち止まっている女の子の気持ちが儚くも強く描かれた名曲です。
・『卒業』尾崎豊
「中学の卒業式で歌う歌を決めようとなって、尾崎豊を歌いたいと言った男子がいて、速攻却下となったのを思い出した」
「「卒業」尾崎豊卒業式の日に聴いてたら母に、「また別の支配があるんだよ」と言われ憂鬱な気分になったのはいい思い出」
尾崎豊のかすれて力強いダンディな歌声に、シビれた方も多いはず。この記事で取り上げた卒業ソングの中でも最も「過激な気持ち」をリアルに歌い上げています。この曲が指している卒業の対象は、「支配」。管理教育に飽き飽きし、解放を歌うこの曲に、時代を感じる人もいるかもしれません。
あなたの「卒業ソング」は何ですか?
この記事では、世代別にみる定番卒業ソングをご紹介しました。あなたの卒業ソングはありましたか? ここで紹介したのはほんの一部ですが、「そんな歌じゃないよ、俺たちの卒業ソングっていったら〇〇〇〇だよ」という方も多いかもしれません。卒業式で笑顔でクラスメイトと歌った曲もあれば、泣いてまったく歌えなかった曲もあったり、お子さんのいる方は、自分のときの定番とお子さんの卒業式の歌の違いに時代を感じた方もいるのではないでしょうか? 世代によって異なる卒業ソングですが、どれも名曲ですね。
今年の卒業式は、自粛している学校が多いですが、そんなときこそ、卒業ソングを聞いて、しばし学生時代を振り返ってみるのもいいかもしれません。
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