SCSK、増収増益し3Qとしては過去最高業績 システム開発分野等で収益性改善が利益に貢献

2020年1月31日に行われた、SCSK株式会社2020年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。

スピーカー:SCSK株式会社 上席執行役員 岡恭彦 氏

連結業績サマリー

岡恭彦氏:岡です、よろしくお願いします。本日はお忙しいなか、20年3月期の第3四半期決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。さっそくですが、第3四半期の連結業績についてご説明いたします。

本日の説明内容ですが、はじめに業績に関する総括的な説明を行った後に、各項目を順次説明いたします。説明時間しては20分程度を予定しております。

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まずは総括的な説明ですが、当第3四半期の業績としては、売上高が9.7パーセント増収の2,807億円、営業利益が16.5パーセント増益の308億円となり、第3四半期累計としては過去最高の業績となりました。営業利益率についても、累計業績として初めて11パーセント台となり、前年との比較においては0.6パーセントの向上となっております。

日本経済の不透明感自体はありますが、期初来の堅調な事業環境、市場動向に関しては継続的に推移しており、この第3四半期においても顧客のIT投資需要に大きな変化はないと思われます。

具体的に申しますと、製造業においては一部レガシーシステムのオープン化、各種業務オペレーションシステムの更新投資需要に加え、事業拡大・拡充や競争力強化等の顧客自身の戦略的なIT投資需要、人手不足に対応するための省力化・省人化を目的とするもの等、引き続き底堅いものがあります。

金融業においては、システム更新需要や顧客自身のさらなる事業の強化・拡大につながるIT投資に関しては、依然として継続しております。

また、事業全体の受注残高は、ご覧のとおり前期比で5.4パーセント増の1,267億円となっております。なお、この数字にはTOBにより12月19日付で連結子会社となった、Minoriソリューションズの受注残高約38億円も含まれております。

以上のような状況から、当第3四半期決算は次のような業績となります。

業績概要(PL・受注高・受注残高)

3ページの業績概要をご覧ください。売上高は製造業向け、とくに自動車メーカー向けのシステム開発や検証サービスおよび金融業向けのシステム開発、ERPのシステム【再構築案件0:03:02:】等により、前年同期比で9.7パーセント増の2,807億円となりました。

詳細は後ほどの営業利益増減分析にてご説明いたしますが、売上総利益は増収による増益に加え、相対的に利益率の低いシステム販売が増えたことによるセールスミックスの影響がありました。その一方で、システム開発を中心とした継続的な収益性の向上等により、売上総利益率が前年同期比で0.4ポイント向上、前年同期比で11.4パーセント増の710億円となりました。

販売管理費は29億円の増加となりましたが、増加の主な要因としては、事業投資等を含むほぼ想定の範囲内の内容でございまして、売上高・販管費率そのものは改善となっております。したがって、営業利益については、前年同期比で16.5パーセント増の308億円となり、営業利益率も11パーセントと向上しております。

さらに、MinoriソリューションズのTOBにより、これまで当社がもっていた持分株式に関しては、TOB価格で評価し直したことによる評価益を特別利益として約15億円計上したことにより、四半期純利益は29.7パーセント増の230億円となりました。

また、受注高・受注残高については、ともに前年同期を上回る結果となっております。

業績概要 第3四半期期間(PL・受注高・受注残高)

第3四半期期間、3ヶ月の業績概要となります。当期間においても増収・増益となっており、売上高は5.5パーセント増の933億円、営業利益は5.6パーセント増の110億円となりました。しかしながら、前年同期との比較においては、上半期までの実績と比べると増減率が低減しているように見えるため、多少ご説明をさせていただければと思います。

売上高について、当第3四半期期間の増収率が低減している要因としては、まずは通信業向けネットワーク機器販売において、一部製品の実売モデルへの切り替え時期となる影響を受けたことが減収要因となっています。

システム開発においては、昨年の第3四半期期間において、主には金融業向けや流通業向けの一部案件において開発ボリュームが増加したタイミングであったこと等の結果として、売上高の伸びが顕著でありました。したがいまして、主にはこの2つの点が期間における前年比較において、伸び幅が上期よりも低く見える要因とご理解いただけたと思います。

また、営業利益の増益率低下に関しては、いまご説明した売上高にかかる要因に加え、今年度通期で20億円から30億円程度の事業投資を行っている旨を申し上げておりますが、そのうちこの第3四半期期間の計上分を含めた販売管理費の増加も影響しております。

受注高は、第3四半期期間においては4.1パーセント減少の858億円となっております。この減少の主な要因ですが、システム販売において売上高の減収要因でも申し上げましたとおり、通信業向けネットワーク機器の販売減少の影響が約30億円あります。

また、システム開発においては、リース・信販業向けの総合案件の反動減等の影響があったことに加え、案件総額のうち受注締結にいたった金額のみ受注計上する関係上、例えば成立ごとの契約となった場合は受注として計上される金額が案件の一部となるために、現在複数の大型案件において実装フェーズやシフトフェーズ等、今後契約締結となる金額部分は受注に含まれておりません。

また、要件定義やPoC等、段階での受注額としては、他のフェーズと比較して契約金額が少額になることも一因と捉えています。この受注計上タイミングの影響が受注残高にも反映される結果となり、受注残高はMinoriソリューションズの38億円を加味したうえで、5.4パーセントの増加となりました。

売上区分別(PL・受注高・受注残高)

すべての売上区分において、売上高・受注高・受注残高が前年同期を上回る結果となりました。詳細は次ページ以降の売上区分別にご説明いたします。

売上区分別:システム開発(売上高・受注高・受注残高)

システム開発ですが、売上高は製造業や通信業、流通業からの引き続き強いIT投資需要を背景に、戦略的企業の強化や競争優位性の確保のためのIT投資、ERPのシステム再構築案件、生産性向上や省力化などを目的とした需要等により、堅調に推移しました。また、金融業向けのシステム更新需要増や電力・ガス業向けの顧客サービス拡充のための投資需要もあり、結果として11.6パーセント増の1,141億円となりました。

受注高については、通信業、流通業における大型案件の反動減に加え、リース・信販業向けの総合案件の反動減、また、先ほどご説明しましたとおり、契約締結が受注計上のトリガーとなっていることなどが影響しました。IT投資需要の動向自体は、ERPのシステム再構築案件等を含む堅調な状況ではありますが、2パーセント増の1,120億円となっております。

受注残高については、Minoriソリューションズの受注残、約27億円が加わり約6パーセント増の357億円となっております。

売上区分別:保守運用・サービス(売上高・受注高・受注残高)

保守運用・サービスの売上高については、7パーセント増の1,059億円となりました。流通業において、ECトータルアウトソーシング関連がフルフィルメントサービスの一部減収の影響を、主には上期に受けたことがありましたが、全般的には好調なシステム開発の動向を反映したシステム保守ビジネスや製品開発時の検証サービスが拡大しました。さらには、基幹系システムのクラウド型サービス提供や、製品サービスに対するBPOビジネスが堅調に推移しております。

受注高については、データセンタービジネスやBPO案件が積み上がったことや、受注残高の前期末からの積み上がりがあり、各々前年同期比でプラスの結果となっております。当売上区分においては、Minoriソリューションズの受注残高は約10億円含まれております。

売上区分別:システム販売(売上高・受注高・受注残高)

システム販売の売上高については、通信業向けネットワーク機器販売が一部製品の次世代モデルへの切り替え時期であったため、第3四半期期間においては減少傾向にありました。しかし、上期における通信業向けネットワーク機器販売の増収および製造業向けハードウェア販売等により、第3四半期の累計としては10.9パーセント増の606億円となりました。

受注高・受注残高については、自動車業、学術研究機関向けハード販売の増加で、受注高は4パーセント増の651億円、受注残高は12.2パーセント増の192億円となりました。また、システム販売におけるMinoriソリューションズの受注残高は2億円程度であります。

以上、区分別の説明となります。

業種別 売上高

業種別の売上高についてご説明いたします。当第3四半期では、すべての業種にて増収という結果となっておりますが、ここでは増収幅の大きい業種を中心にご説明いたします。

製造業については、前年同期比で78億円の増収となりました。これは自動車メーカー向け戦略的IT投資需要に対するシステム開発や、解析サーバ等のシステム販売に加え、製品開発時の検証サービスや製品サービスに対するBPOビジネスが増加したこと、建設業向けの業務システム更新需要等によるものです。

金融業については、銀行業向けのシステム更新案件が継続していること、信販リース業向けではシステム総合開発案件等により、前年同期比で49億円の増収となりました。

通信・運輸業については、上期の通信業向けネットワーク機器販売増加や昨年度来の運輸業向け基幹システムの更新案件等により、前年同期比で68億円の増収となりました。

サービス業については、基幹システム構築案件があったことによって増収となっております。

セグメント別業績

以上の業績について、当社の事業部門ごとに見たものがセグメント別の業績となります。すでに売上区分別ならびに業種別にてご説明いたしましたが、上期からの継続している堅調な事業動向を反映した業績結果となっており、当第3四半期においてもすべての事業部門において増収・増益となりました。

上期の決算説明会においてもご説明いたしましたが、モビリティシステムセグメントについては、車載アプリケーション開発領域とQINeSビジネスを行うプラットフォーム領域に加え、当社子会社であるベリサーブの業績を含んだセグメント業績となっております。

車載システム事業を手掛けるモビリティシステムセグメントの業績のうち、プラットフォーム領域では期首より赤字を想定しており、当第3四半期においても想定の範囲内での結果とはなっております。その一方で、モビリティシステムセグメント全体においては、前年同期比で増収・増益であり、セグメント営業利益は8億円という結果となりました。

また、増収幅に対して増益幅の小さい製造・通信セグメントと商社・グローバルセグメント、増収幅に対して増益幅の大きい金融セグメントについて、簡単に説明を加えさせていただきます。

製造・通信セグメントにおいては、自動車業向けのシステム開発需要等により増益ではあるものの、不採算案件の影響によって増益率は4パーセントとなっております。商社・グローバルセグメントにおいては、東南アジアへの進出にともなうコスト等が影響して増益率が7パーセントとなっております。

金融セグメントにおいては、前年度の不採算案件の反動があったこと、基幹システム更新需要や事業強化への投資案件等があったことにより、増益率が14パーセントと高い伸びになっております。

営業利益の増減分析

ここでは営業利益の増減要因についてご説明いたします。前段でご説明した、上期より継続している堅調な事業動向に基づく、売上高9.7パーセントの増収にともなう増益が55億円、システム開発ならびに保守運用・サービスにおける収益性の改善による増益が20億円となりました。

一方、不採算案件については、当第3四半期累計において8億円弱の計上であり、前年同期約6億円強の不採算案件となっておりますので、前期との比較では2億円弱の減益要因となります。

さらに販管費約29億円の増加要因については、上期にて説明いたしました業績賞与の支給額の増加、創立50周年イベント等にかかわる費用があったこと、今期より新入社員研修の期間を延長したことによる販管費の増加、今年度通期で20億円から30億円を想定している事業投資の第3四半期累計実績18億円強のうち、10億円強が販管費として計上されたことによるものです。

これらの要因により、営業利益は前年同期比で約44億円増加の308億円となりました。

要約連結BS

要約連結B/Sとなります。

TOBによってMinoriソリューションズを新たに連結対象としたことにより、Minoriソリューションズの資産合計110億円および負債合計26億円を連結しております。また、のれん代は140億円を計上し、その償却については当第4四半期にて4億円弱の計上を予定しております。

一方で、後ほどふれますが、来期よりIFRSへの任意適用を開始することといたしましたので、来期以降減損の兆候がないかぎりのれん代の償却は発生しない見込みであります。ただし、PTAについては現在試算中のために対照価格が確定したのちには、償却費が発生することはご留意いただければと思います。

通期連結業績予想

通期の業績予想については、期初公表値から変更しておりません。米中貿易摩擦やEU離脱問題等、依然として予断を許すものではなく、最近では新型のコロナウィルスによる世界経済への影響等、業績に与える懸念材料は払拭しきれていないものと考えております。

また、今年の4月からスタートする新中期経営計画にあわせるかたちで、人事制度・報酬制度の刷新を予定しております。その制度変更にともない、当期の業績に連動した業績賞与の相当額を、この期末において計上する予定でいることも一因でございます。

トピックス

最後になりますが、来年度より導入予定のIFRS、国際財務報告基準の任意適用についてふれたいと思います。

IFRSの任意適用について、財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的として、2021年3月期決算の連結財務諸表および連結計算書類から、従来の日本基準に替えてIFRSを任意適用いたします。

IFRSによる開示は来期から予定しておりますが、2021年3月期決算発表時の業績予想数値がIFRSとなるため、対象比較P/Lとして2020年3月期の数字をIFRSに置き換え、任意で開示する予定としております。

以上で私からの説明を終わらせていただきます。今後とも引き続きSCSKグループに対してのご支援ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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