なおにゃむさんは、「言語発達遅延」という発達障害をもつ小学4年生のまっきーのお母さん。春は出会いと別れの季節。特に3月末は、先生の異動が行われるときでもあります。この「異動」について、なおにゃむさんとまっきーには、忘れられない思い出がありました。
一昨年のこと。小学校1年のときからお世話になっていた担任のT先生の異動が決まりました。先生の異動は、公式な発表があるまで保護者や子どもに知らされることはありません。このため、なおにゃむさんもまっきーも、新学期も、ずっとT先生がいるものだと思い、3学期の終業式に、新学期の放課後ディの下校時間についてT先生に確認に行ったのです。
いつも、質問にはきちんと答えてくださるT先生でしたが、異動のことがあったからなのでしょう。少し涙ぐむような仕草をした後、「新学期のことは、まだわからないんだ。」とだけ言い、「じゃあ、お疲れ様。」と、そそくさとその場を立ち去ってしまいました。なにがなんだかわからないなおにゃむさんとまっきーは、ポカン…。先生の後姿を見送りながら「ああ、そういえば『新学期もお願いします。』っていいそびれちゃったなあ。」となおにゃむさんは思い、まっきーは「先生に挨拶できなくて寂しかった。」と、つぶやいたのでした。