介護は現時点でも日本の大きな問題であり、課題すべき課題というのは多くの人が認識していることであろう。介護状態に陥った時に支援が必要になるわけではあるが、要介護者として認定されている人はどのような原因で認定されているのであろうか。
その原因について、厚生労働省「平成28年(2016年)国民生活基礎調査の概況」をもとに見ていきたい。直近の大規模調査は平成28年版となるため、それを引用する。
ちなみに、「健康」「介護」「貯蓄」に関する事項は、大規模調査年のみ調査を実施。「介護」に関する事項は、平成13(2001)年以降の大規模調査年のみ調査を実施。
要介護度別に見た介護が必要となった主な原因の構成割合
それでは早速、要介護と認定されたケースでの原因を見ていくことにしよう。
まずは、要介護者全体の原因ついてである。
要介護者全体の原因
以下、順位:原因(全体での比率)として表記する。尚、「その他」は順位としてしては当記事では一番下に持ってきている。
第1位: 認知症(24.8%)
第2位: 脳血管疾患(脳卒中)(18.4%)
第3位: 高齢による衰弱(12.1%)
第4位: 骨折・転倒(10.1%)
第5位: 関節疾患(7.0%)
第6位: 心疾患(心臓病)(3.8%)
第7位: パーキンソン病(3.4%)
第8位: 悪性新生物(がん)(2.7%)
第9位: 糖尿病(2.4%)
第10位: 呼吸器疾患(2.3%)
第11位: 脊髄損傷(2.2%)
第12位: 視覚・聴覚障害(1.0%)
第13位: わからない(0.8%)
第14位: 不詳(0.7%)
第15位: その他(7.7%)
ここまでみると、最大のポイントは「認知症」が全体の4分の1程度を占めるということである。また、「脳血管疾患」も全体の約2割程度を占める。そして「骨折・転倒」というのも約1割を占める。