同容疑者は、ドイツのテロの容疑者のように動画やメッセージをネット上に公開し、“白人の世界は移民難民に侵略されている”など白人至上主義的な考えを強調し、欧米世界の同調者、信奉者たちに攻撃を呼び掛けた。
これ以降、米国やノルウェーなどでも同様のテロ事件が発生している。
近年欧米世界で頻発するこの種のテロは、“反ユダヤ”、“反イスラム”、“反移民・難民”など、容疑者により重視するところは異なっても、“白人優位”、“排斥主義”という根本的なところは同じであり、ネットやSNSを通じて連絡を取り合い、ネットワークを構築し、連帯感や一体感など共同体意識を高めている。
新型コロナ感染拡大にも見られる排斥の動き
こういったテロの脅威では、邦人への直接的なリスクが高いわけではない。しかし、今回のドイツのテロ事件では、反ユダヤ、反イスラム、反移民・難民に加え、少なからずゼノフォビア的な意識も感じられた。要は、テロの対象となる標的の範囲が拡大されているのである。
昨今のコロナの問題にもあるように、各国における排斥的な流れは捉えておく必要があろう。
参考:『【新型コロナ】“日本は感染源国”というイメージ拡散の懸念~海外にいる日本人が標的になるリスク』
和田 大樹