オンライン家計簿をつけるのはやめたほうがいい理由

オンライン家計簿アプリの問題点

ただし、オンライン家計簿には問題があります。それは、フィンテックのおかげで利用している金融機関やクレジットカード会社の取引データを取り込めるのはいいのですが、それらのデータが家計簿アプリ業者に丸見えになるということです。

収入内容は入金データの項目名で分かりますし、支出データも同じです。読者の各種控除後の給料がいくらで、毎月のローン返済はいくら、光熱費や教育費はいくらと、全てガラス張りになるということです。

もちろん個人情報が流出しないように厳重に管理されているとはいえ、データはシステム関係者であればいつでも閲覧可能です。

大概のアプリ提供業者は金融機関の広告収入が収入源ともなりますので、結局こういったデータから属性情報を分析してタイムリーな金融商品の宣伝や勧誘を直接間接に行うわけです。筆者にもそういった類のメールが毎日送られてきます。

こうした情報は、決して親切心から送られてくるわけではありません、あくまでビジネスなのです。高額商品であれ廉価商品であれ、メール広告を打つ手間は同じですから、そこで宣伝される商品は大概利幅が大きな商品であることは、容易に想像ができます。

おわりに

まとめると、私がオンライン家計簿を使わない理由は、以下の4つです。

  1. 個人の財務・金融情報が第三者に丸見えになる
  2. 商品の宣伝に使われる
  3. そもそも入力が面倒
  4. 家計簿をつけても収入は増えない

何事もそうですが、利便性を求める際はその対価を考えたいものです。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)

参考記事

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。