政府の年金改革案は小手先。最大の改革は「専業主婦の優遇廃止」

サラリーマン(公務員等を含み、男女を問わない、以下同様)の配偶者である専業主婦(専業主夫を含む、以下同様)は年金保険料を払わなくて良い、という制度を廃止するべきだ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は考えています。

現在の改革案は小手先の変更

日本の公的年金は、現役世代が支払った年金保険料を高齢者が分け合う「賦課方式」が基本です。昔は個々の家で子が老親を養ったものですが、それを「子の世代が高齢者世代を養う」という制度に変更したのが公的年金だと言えるでしょう。

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この制度は、インフレに強いという長所があります。インフレになると現役世代の所得が増えるので、「保険料を値上げして高齢者に支払う年金を増額する」ことができるからです。

しかし一方で、少子高齢化には弱いのです。現役世代の人数が減り、高齢者の人数が増えれば、高齢者一人当たりの年金額は減らざるを得ませんから。

そこで、高齢者への年金支払い額を少しでも増やそうと、政府は改革案を検討しているようですが、小手先の改革案で物足りません。

たとえば「中小企業で働くパート労働者も厚生年金に加入させて厚生年金保険料を払わせよう」といった改革が検討されているわけですが、その効果は一時的です。中小企業で働くパートが高齢者になった時に厚生年金を受け取るようになるわけですから、結局年金財政の改善は一時的なものに過ぎないわけです。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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