周囲に相談するも「信じてもらうまでに数年かかりました。まさかあの人に限ってと、むしろ私の努力が足りないのではないかと言われて、二重に苦しみました」という。結局2人は別れて4年経つが、Tさんは未だに元夫の言葉を思い出し、眠れない夜があるという。

オオカミとヤギはいくら話し合っても分かり合えない

「話せば分かる」と、話し合いに望んだRさんもいる。暴言をあびるたびに、いけないことだと説明した。相手からは無視されるか、「うるさい」「この世から消え失せろ」などの暴言が返ってくるだけ。とはいえ「いつか理解してくれる」と思っていた。

そんな折、元夫の不倫が判明。しかし元夫の口から出てきたのは、不倫相手を擁護する数々の言葉と、「お前のせいで不倫をした」とRさんを責める言葉だった。

「いつも私が悪いと責められていましたが、まさか不倫まで私のせいになるとは…。夫の頭の中は、自分と不倫相手のことでいっぱいなんです。私と子どもは存在していないようで、もちろん謝罪もありません」

その後も離婚まで話し合いを続けたが、「あまりの自己中な発言に、私の方はもう冷めた目で見るだけ。元夫にとって、私はモラハラをして自尊心を得るためだけの道具なんです」。

オオカミはヤギのことをエサとしか考えていない。いくらヤギが「私にも家族がいるし、痛くて悲しいから、食べてはいけないんですよ」と説明しても、オオカミにとっては「エサが何か喋っている」程度。

オオカミは、ヤギを食べなければ生きていけない。それはマウントをしなければ自信が保てない男性に似ているのかもしれない。