ところが、仮想通貨はそういったキャッシュフローを生み出す機能はありません。値動きは参加者の需給関係で決まります。加えて、市場規模がまだ小さいですから、仮想通貨の価格変動性(リスク値/ボラティリティ)は株式の4〜5倍近くありますし、上昇下落の方向性も定かではありません。

もっとも、ほとんどの参加者は仮想通貨価格が上がると読んで購入していると思います。ですので、仮想通貨の特徴をまとめると次のようになります。

(1) 収益の源泉は価格変動による売買差益のみ
(2) 激しい値動き
(3) 価格変動理由は不明(株価との相関性はない)
(4) レバレッジが使える(倍数は取引所による)
(5) 売買取引価格がかなり広い(イーサリアムは1〜2%程度)
(6)24時間取引が可能(取引所による)
(7)NISAやiDeCo等の非課税制度が使用不可
(8)売買益は雑所得(総合課税対象)

個人向けの投資対象商品を俯瞰すると、過去10年くらいで様々な商品が世の中に出てきたと思います。FX(外国為替証拠金取引)、CFD(差金決済取引)、レバレッジ・ブルベア投資信託、仮想通貨など…。金融IT技術の発達により、本来的な投資とeゲーム的な投資がますます混在してくるでしょう。

余談ですが、今日本では箱モノのカジノを作ろうとしています。自分自身で取引を経験した立場の私見ですが、これだけ仮想通貨やCFDで“24時間取引可能”な取引所がある状況下では(加えて、世界的にはオンラインカジノも隆盛)、その成否は言わずとも分かるところでしょう。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)