共立メンテナンス、上期は経常益が9期連続の増益を達成 ドーミーイン事業が利益成長を牽引

2019年11月19日に行われた、株式会社共立メンテナンス2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社共立メンテナンス 代表取締役社長 上田卓味 氏

Executive Summary

上田卓味氏:本日はご多忙のところ、ご出席賜りありがとうございます。また、常日頃より、なにかとご支援を賜りまして、重ねて御礼申し上げます。

本日は、まず2020年3月期第2四半期決算の概要をお話しさせていただきます。その後、通期の業績目標に変更があるかということと、今年が3年目となっている中期経営計画の進捗状況について、ご説明いたします。

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それでは、まず3ページをご覧ください。こちらに今回の上期決算の要点をまとめてあります。

1つ目に、経常利益が9期連続の増益、7期連続の過去最高益を更新しています。

2つ目は、売上増加の構造的な要因になるのですが、「新規開業がどうなったか」ということです。こちらも計画的に進んでおり、この半年間に、寮事業で13棟(1,451室)、ドーミーイン事業で3棟(551室)、リゾート事業で2棟(186室)をオープンしています。

3つ目は、安定成長の基盤を成す寮事業です。海外からの留学生の増加や、寮制度をご利用される企業さまの増加により、期初稼働率が過去最高の98.7パーセントとなり、その後も堅調に推移しています。

4つ目は、現在、まさに成長のドライバーとなっているドーミーイン事業の営業利益についてです。営業利益は前年同期から19.1パーセント増加いたしました。みなさまご懸念のインバウンド宿泊は、いろいろ新聞でも騒がれまして、一時、株価についても足を引っ張られた部分がございましたが、これについてはきちんと説明がついています。

日韓問題の影響により、韓国からの宿泊者数は確かに減少していますが、中国・香港を中心とする他国の伸長でこれを吸収し、全体のインバウンド宿泊者数は増加いたしました。詳しくは後ほどご説明いたします。

また、大阪では、中国からのインバウンドの関係でRevPAR(客室単価)が伸び悩んだ部分がございましたが、これも当社ならではの全国的な展開による他の地域でのカバーにより、全国既存事業所のRevPARは前年同期から2.3パーセント増加しました。

このように、ビジネスホテルは客室数の増加と相まって、売上高・営業利益を大きく伸ばしました。さらに、不動産流動化事業の推進も、前期に引き続き、当中間期の利益に貢献しています。こちらについては、後ほどまた詳しくご説明します。

最後に、1株あたりの中間配当については、前期から10パーセント増となる2円を増配した22円として、7期連続の増配とさせていただきました。

2020年3月期 第2四半期累計 連結業績と主要経営指標

上期業績の数字です。売上高は938億1,500万円と、前期から18.4パーセントの増収となりました。

営業利益は、マイナスの部分として、開業準備費用をすべて合わせて10億8,000万円。そして、大規模リニューアル費用として約1億3,000万円が発生しましたが、これらを吸収した上で90億6,600万円と、前期から12.7パーセントの増益となりました。

経常利益は、前期から14.5パーセント増の89億7,200万円と、「前期対比10パーセント以上の成長」という当社の方針をそのまま継続させていただいています。当期純利益は前期から14.9パーセント増の61億1,400万円となりました。これらの要因については、後ほどご説明いたします。

第2四半期累計売上高・営業利益の5ヶ年推移

上期の売上高・営業利益の5ヶ年推移を、事業セグメント別でお示ししています。こちらが、ただ単にホテル事業だけをおやりになっている会社さんとは異なり、当社が非常に大きな基盤を持っていることの証です。

まず、基本となる寮事業が確実な安定成長をしています。その上にホテル事業があり、全体の成長を牽引しているということで、これは他社に類を見ない、非常に大きな事業構造となっています。

海外の投資家の方や、本日いらっしゃっている投資家のみなさんから見ていただいても、このような事業構造を持っている会社が(他には)ないため、当社の強みの1つとなっているということが認識いただけると思います。

2020年3月期 第2四半期累計売上高・営業利益の事業セグメント別内訳

それでは、決算の中のセグメント別の売上高・営業利益です。こちらのスライドで、丸で囲っている部分をご覧ください。ドーミーイン事業が営業利益を大きく伸ばしていることがお分かりになると思います。一方、リゾート事業が若干低下しています。これについては、後ほどご説明いたします。

寮事業:2020年3月期 第2四半期累計売上高・営業利益

まず、寮事業についてです。売上高は251億7,700万円と、前期から3.7パーセントの増収となりました。これは主に、当上期に開業した13棟(1,451室)の増室効果によるものです。営業利益は38億4,100万円と、前期から3.1パーセントの増益となりました。これは、前期に開業した14棟について、安定的に高稼働で推移していることによります。

寮事業については、これだけの規模になりましたので、あまり大きくは伸長しませんが、毎年このようなかたちで、3パーセントから5パーセント、着実に伸ばしているという実績です。

寮事業: 期初契約室数・稼働率推移

寮事業の基本行動となる稼働率について申し上げます。2020年3月期の期初稼働率は、冒頭でも申し上げたように98.7パーセントと、前期よりも1ポイント高い水準でのスタートとなりました。

当期は、国際交流寮「明治大学グローバル・ヴィレッジ」のオープンをはじめとして、大学さまと提携した学生寮の新規開発が進展したとともに、企業さまの社員寮制度の導入によるニーズが引き続き堅調だったことが、契約数の増加につながりました。

また、1つの特徴が、留学生の入寮者です。各大学が、今後の成長基盤として留学生を海外から集め、それによって大学の伸長を図るという施策を進めております。その関係で、1年前の期初と比べ、留学生の数は419名増の3,079名となり、留学生比率は14.5パーセントと、前期から1.8ポイント上昇しています。

なお、留学生は10月1日から動く可能性がありますが、現時点での留学生入寮者は、当期初から144名増の3,223名となり、留学生比率は0.9ポイント増の15.4パーセントへ高まってきています。この傾向は今後も続くものと思われます。

ドーミーイン事業:2020年3月期 第2四半期累計売上高・営業利益

それでは、いよいよドーミーイン事業です。売上高は256億7,000万円と、前期から23億9,200万円、10.3パーセントの増収となりました。当期は、10連休となったゴールデンウィークの影響もあり、既存棟の売上高は前期から4億4,000万円のプラスでした。前期開業棟も順調に稼働しており、15億9,000万円のプラスとなったことが主な要因です。

また、営業利益は45億7,000万円と、前期から7億3,400万円、19.1パーセントの増益となりました。この成長を牽引したのは、主に既存棟におけるRevPARの上昇等によるもので、前期からの6億2,000万円の増益となりました。

こちらのスライドの中に、「大規模リニューアルによる休館影響」というものがあります。こちらについて少し補足しますと、大規模リニューアルするためには当然ながら休館をすることになりますので、その影響をここに明示しています。

前期対比でプラスになっているのはなぜかと言いますと、前期は九州の博多祇園でマイナス1億4,400万円。当期は、上期においては弘前がマイナス6,600万円で、その差し引きでプラス800万円となりました。こちらのスライドは前期対比の表ですので、そのような見方をしていただければと思います。

ドーミーイン事業:稼働率・平均客室単価の推移

それでは、課題のドーミーイン事業の稼働率・平均客室単価の推移についてです。まず、棒グラフと、(スライドの)下の表に出ている客室単価をご覧いただけたらと思います。

第1四半期については、ゴールデンウィークの好調によって大幅に伸びましたが、第2四半期は、他社による新規ホテルの供給が進む大阪の客室単価の伸び悩みの影響により、前期を下回りました。しかし、上期累計では前期比でプラスを維持しています。これは単価の部分です。

一方、稼働率については、(スライドに)赤色の折れ線グラフで示していますが、ご覧のとおり、各月とも前期を上回って推移いたしました。その結果、上期累計では前期から2.1ポイント増の92.7パーセントと、非常に高い稼働率で推移しています。

ドーミーイン事業:RevPAR推移

続いて、客室単価・稼働率を足し合わせたRevPARです。こちらが、当社についての大きな指標になります。

先ほど申し上げました大阪地区は、やはり客室単価の伸び悩みの影響があり、RevPARは前年同期を下回りました。大阪地区では、前期比でマイナス9.2パーセントとなりました。

しかしながら、他のエリアのRevPARの上昇、ならびに当社ならではのサービスや特徴が国内旅行者の根強い人気を博したことで、ドーミーイン事業全体のRevPARは1万516円と、前期から2.3パーセント上昇しました。

なお、(スライドの)右上の表にあるように、先ほど申し上げた大阪でRevPARが落ちたのですが、その分、北海道が9.0パーセントアップ、甲信越が7.0パーセントアップ、東北が6.4パーセントアップと、大阪地区のマイナスをカバーしました。

ここで、大阪のRevPARが軟調なのは、大阪ではもともと格安航空で、関空を利用した中国系の団体客が多く、その団体客を目当てにしたホテルラッシュがございました。(ホテルの)乱立があったことで、価格の上昇に足かせができたということです。

当社は、大阪については限定しながら差別化を図っているものの、今年1年ほどは足かせになると思います。しかしながら、現在、インバウンドを含めて全国への展開を積極的にしています。SNSの影響もあり、北海道・東北への旅行者がどんどん増えていますので、全国的にカバーできると読んでいます。

ドーミーイン事業:インバウンド需要の推移

では、インバウンドがどのような状況なのかをもう少し詳しく説明します。スライドの上段は日本の市場全体の環境で、下段は当社のドーミーインの状況です。日本全体については、日韓問題の影響により、韓国からのインバウンド宿泊数が減少しています。こちらにも出ているように、韓国(のシェア)は17パーセントと、中国を下回る状態になっています。

実を言いますと、直近では韓国がさらにもう少し落ちています。この部分の回復は見込めません。しかしながら、弊社のドーミーインのインバウンド宿泊数の国別シェアにおいては、韓国は確かに(前期の)42.0パーセントから、当期は28.1パーセントと13.9ポイント落ちましたが、香港から……確かに(香港の)空港はいろいろと乱れているのですが、香港からのツーリストには、まだちゃんと来ていただいています。前期から10.6ポイント(増加)の33.2パーセント(のシェアです)。

また、中国が2.7ポイント増の17.2パーセントとなっています。私どもの中国は、団体客ではありません。Webから入ってくる、俗に言う、富裕的なファミリー層です。ですから、大阪のような団体客騒動には巻き込まれていません。

そして、これが非常に重要なところですが、(スライドの)左下のグラフにあるように、ドーミーインのインバウンド宿泊者数は、前期上期の85万人に対して15万人増え、ついに半期で100万人に達しました。

これは、韓国からのインバウンド宿泊者の減少を、中国・香港といった他の国でカバーしたということで、上期はあれだけ韓国が落ちたのに、(前年同期から)15万人増加したかたちになりました。

ドーミーイン事業:インバウンド宿泊者数・インバウンド比率の推移

インバウンド比率については、いままでインバウンドの方は1つの部屋に必ず2人以上お泊まりになるということで、国内旅行者よりも客室単価が高いことから、インバウンド比率が高ければ高いほど、価格的にはホテルにプラスになるということで、その数字をウォッチしていたんですが、残念ながら、ここでインバウンド比率が売上ベースで28.1パーセントと、前期より若干低下してしまいました。

しかしながら、こちらの(スライドの)表には記載しておらず、口頭で申し上げますが、本年上期のドーミーインの全宿泊者売上は245億9,800万円と、前年上期の220億9,000万円から25億8,000万円の増です。これは、上期のみのドーミーインの全宿泊者数です。(前年同期比で)11.4パーセント増加しました。

このうちインバウンドは、本年上期が69億400万円と、前年上期の62億5,600万円から6億4,800万円、10.4パーセントの増となっています。全宿泊者数の売上の伸びが高いことが分かります。

また、スライドの青い棒グラフが全宿泊者数、黄色い棒グラフがインバウンド宿泊者数の数ですが、同じように、伸び率としては全宿泊者数の伸びが顕著です。

以上のように、国内のお客さまの伸びが多かったことから、構成としてはインバウンド比率がやや下回った結果となっているのだと思います。ただ、この部分は、今後ともこういう状況がそのまま続くものなのか、本当にインバウンドが減っていたのかというのは、きちんと注視しながら、経営に役立てていきたいと思います。

いずれにしても、インバウンド・国内のお客さまともに、宿泊者数は増加傾向を維持しています。私どもの客数の増加および稼働率の増加に伴って、この数は伸びているということだけは事実であると申し上げたいと思います。

ドーミーイン事業:対外評価

それでは、なぜこんなに伸びているのかです。こちらのスライドは前回もお示しした「日本顧客満足度指数」です。おかげさまで、ドーミーインは第1位という評価を得ました。

当社は、温泉・大浴場と充実した朝食のみならず、スタッフの接客、顧客満足度向上のために努めてまいりましたが、この企業努力をご評価いただけたものと確信しています。このような評価は、旅行者のみなさまがホテルを選定される際の、大きな判断基準の1つとなっているのだと思います。

なお、1回泊まった人が、次にどれだけ泊まるかというリピーター比率は、今年度は43.7パーセントと、前期よりも1.5パーセント増加しています。

リゾート事業:2020年3月期 第2四半期累計売上高・営業利益

続いて、リゾート事業です。リゾートは、開発に非常に負荷がかかるために、立ち上げは必ず厳しい数字になるのですが、これについて補足します。リゾート事業の売上高は169億6,000万円と、前期から11億9,600万円、7.6パーセントの増収となりました。

(スライドの)左のグラフに示しているように、売上高の大きな伸びは、前期に開業した霧島や高山の白川郷の寄与によるものです。

一方で、営業利益は7億円と、前期から2億3,800万円のマイナスとなりました。既存棟は、10連休となったゴールデンウィークが好調であったことなどを背景として、RevPAR上昇による利益増や経費の効率化推進により、前期から7億7,000万円の増益となったものの、大規模リニューアルのための休館による減益が2億円ございます。

これは主に、「ラビスタ函館ベイ」「季の湯 雪月花」「飛騨花里の湯 高山桜庵」「八幡野温泉郷 杜の湯 きらの里」が古くなったため、お客さまの声を聞いて全面リニューアルをしており、そのための費用です。また、前期に続き、越後湯沢および琴平での当期開業準備費用が発生しており、その結果、マイナスとなっています。

リゾート事業:稼働率・平均客室単価

次に、リゾート事業の稼働率と平均客室単価です。当社の客室単価については、昨年度より、リゾート事業については、稼働よりも客室単価を追い求めた戦略を展開すると明言しています。平均客室単価は前期を上回って推移し、4万2,347円から4万3,928円と1,581円アップしました。

リゾートホテルについては、市場価格と比べても、海外から来たお客さまからの感触をお聞きしても、まだまだ安いということもございますので、ある程度(価格を)上げさせていただこうということで、最低1,000円以上というかたちで臨んでいたのですが、(実際には)これだけ(スライドの表に記載のとおりに)アップしています。

リゾート事業:RevPAR推移

その結果、リゾート事業の上期のRevPARは、前期の3万5,336円から3万6,316円と2.8パーセント上昇しました。

その他事業:2020年3月期 第2四半期累計売上高・営業利益

その他のセグメントです。売上高・営業利益はご覧のとおりです。不動産流動化はデベロップメント事業に含まれますが、先期は金沢で流動化し、9億6,200万円の利益が出ました。今期は琴平・神戸・浅草で実施し、8億6,800万円と、前期対比で利益は9,400万円縮小しています。実はまだ下期にもいろいろ材料がございまして、この分は適宜、経営の中で判断してまいります。

また、懸案事項であったシニア事業およびPKP事業も、前期から増収増益と、確実に収益の改善が進んでいます。

貸借対照表

財務状況です。2019年3月から9月末にかけて大きな変動はございません。ただ、有利子負債が68億円増加していますが、財務健全性は改善しています。

有利子負債・Net D/E レシオ

Net D/Eレシオは低下傾向にあります。2019年9月末時点では0.8倍となっており、健全な水準を維持しています。当社としては、1倍以下という社内目標の中で、財務バランスを考えながら仕事をしています。

ESGにかかる取り組み

ここからが、新しい取り組みになります。いままさに、いろいろ各方面から、コーポレートガバナンスの進捗について問われているのですが、このESGに関する取り組みをご説明します。

まず、ガバナンスの取り組みです。監査等委員ではない社外取締役を、今年度、1名新設・選任いたしました。従来の監査等委員となる社外取締役2名とあわせて、3名体制になっています。3名とも、スライドに記載している経験・知見をお持ちで、とくに今年度お呼びした社外取締役は、まさに観光行政・国土交通行政に非常に詳しい方ですので、当社の取締役会で、毎回、適切な指示・意見をいただいています。

社外監査役はすべて、当社の取締役会には必ず毎回出席していただき、まさに、実効性のある社外取締役として機能していただいています。確かに数だけから言いますと、いまの回数では3分の1にはまだ若干足りませんが、当社は表面的な数よりも、まず実効性のある監査役という選び方をしてまいりました。

来年度、株主総会その他の状況によっては、みなさまとご相談の上で変えていく必要があるのかもしれませんが、現状ではこのような流れです。

次に、ジェンダー平等の実現についての取り組みです。当年(2019年)6月の株主総会で、当社初となる女性取締役1名が選任されました。女性正社員の就業比率は、前年度末で47.5パーセントと上昇基調にあり、管理職に占める女性比率も上昇しています。まだ少し低いのですが、今後のホテル展開その他を見ますと、本当に女性がかなり多くなるものだと思います。

ビジネスホテルでは、だいたい5年を目処に支配人にするという教育プランの中で、男女を問わず教育をしていますので、(管理職比率も)変わっていくものと思います。

また、エネルギーについての取り組みでは、私どもはわずかながら太陽光(発電)に取り組んだり、ドーミーインにおいて、お部屋のシーツの交換その他については、お客さまの意向を聞いて要・不要を確認しながら、最低限のことをやらせていただいています。

また、社員の名刺は(普通)紙を廃止し、石灰石を原料とする名刺を導入いたしました。(普通紙の)原料は水や木材パルプですので、名刺1箱で10リットルの水資源を守ることができるということで、全社員が動いています。このようなかたちで、少しずつではありますが、進めています。

お客様満足度向上の施策

お客さま満足度向上のための施策としては、前回も申し上げましたように、「dポイント」と昨年連携を開始し、当社の自社サイトからの予約を通じて、「dポイント」の付与とご利用が可能になりました。(2019年9月末時点での)ホテルの自社サイトの会員数は、2018年3月末の55万人から37.2パーセント増の75万人と順調に増加しています。

そして、これが最大の問題になってくるのですが、自社サイトの予約比率が、ドーミーインでは前年同期から1.1パーセント増の4.9パーセント、リゾートでは1.8ポイント増の6.8パーセントと上昇しています。開始したたばかりですが、いろいろなCMを打ったり、Webの内容も面的に変えていますので、(自社サイトが)さらに利用しやすくなるものと見ています。これによって、代理店からのエージェントフィーの削減に寄与するものと考えています。

2020年3月期 連結業績見通しと主要経営指標

では、下期がどうなるのかということです。ここからは、私の口が非常に重くなってしまい、申し訳ありません。ご覧のとおり、売上高・利益および経営指標とも、直近で公表している業績予想からの変更はありません。

「本来、上期でも10パーセント成長を果たしている」「上期業績からすると、もっと上にいく余地があるだろう」と、10人にお会いしたら10人の方に言われます。確かにそうです。私もそう思っています。

台風19号などにより、10月に大きな損害がありました。とくに、私どものホテルが箱根に4棟あるのですが、箱根湯本から弊社のホテルまでマイクロバスを利用したり、バスを通じて、いろいろお客さまの利便を図っているのですが、やっぱり箱根鉄道は壊滅的な打撃を受けているということで、予約数の減少があります。

これの改善にはもう少し時間がかかるので、これが多少足を引っ張るかなと(見込んでいます)。いくら全国の他地域でカバーしても、やっぱり箱根の4棟は大きいものですから、この影響をもう少し見たいと思っています。

また、日韓問題については、韓国の問題はクリアしたものの、まだ国際的な問題でどうなるかわかりませんので、それらを踏まえて、現段階ではあえて業績予想を据え置かせていただきます。

去年も台風の影響がございましたので、前期対比で見るといかがなものか、ということもあるのですが……ここを最低ラインとして、「上回るのではないか」というみなさんのご期待に沿えるように、全社一丸となって取り組んでまいります。ここで上方修正をするということは申し上げませんが、きっとそうなるように努力をしてまいります。

2020年3月期 連結業績見通し‐売上高・営業利益の事業セグメント別内訳

連結業績見通しの内訳です。これは前回説明したとおりで、変わっていません。当期も寮事業の安定成長に、ホテル(ドーミーイン)の成長、そしてホテルのリゾートが増加します。ホテルは、上期は4月の立ち上げで開業準備費用がかかるのですが、後半になると利益を生みますので、このような数字が出ています。

開発計画

問題となる開発計画です。ここには、キーとなる当期の開発、新規事業の出店計画について載せています。

寮事業は、国際交流寮「明治大学グローバル・ヴィレッジ」など13棟1,450室をはじめ、開業済みですが、当期全体を通じて、さらにあと2棟、あわせて15棟1,575室の開業を予定しています。

ドーミーイン事業は、7棟1,535室を順次開業します。とくに、インバウンドに好調な「野乃」ブランドを、浅草に(2019年)10月に開業しました。さらに、386室と大規模な「ドーミーイン川崎」を11月にオープンします。

この2棟とも大変好調です。浅草については、畳のある和風テイストで、なおかつ天然温泉ということで、お風呂も非常に柔らかいし、食事もよいと好評を博しています。「ドーミーイン川崎」は、386室とかなり大箱になるため、正直なところ、運営体制をどうするかということで、最初は非常に準備に手間取りましたが、なんと初日以来、満室で稼動しています。体制も整いました。

リゾート事業については、越後湯沢、琴平に加え、今月(2019年11月)には秋田県稲住温泉と、計3棟241室を開業いたします。今期の計画は順調に進んでいます。

中期経営計画(2018年3月期~2022年3月期)主な定量目標と進捗状況

それでは、この計画が、当初算定した中期経営計画に対してどう進んでいるか……これが非常に大切なことです。こちらのスライドで、中期経営計画の定量目標の達成ということで数字を出していますが、現状では順調に進んでいます。

中期経営計画の3年目の数字は公表していないのですが、社内で目標としていた数字をいずれも超えている状況です。「超えているんだったらその数字を出せ」と思われるかもしれませんが、公表していなかったものの後出しはやめようということで、数字をお出ししないことにいたしました。

持続的成長の実現に向けた寮・ホテルの開発計画

中期経営計画の開発計画については順調に進んでいるということですが、一番問題になっているのが、継続的成長の実現に向けた寮・ホテルの開発計画です。これがキーになります。先に申し上げますと、ドーミーイン事業・リゾート事業とも、すでに中期経営計画の開発目標の100パーセントを達成しています。

寮事業が81パーセントと、ホテルに比べて低い進捗率になっていますが、寮やドミールの開発特性として、最短で半年程度で開発します。とくにリニューアルだったら、もっと簡単にできます。

また、第1四半期末の当該比率は78パーセントでした。この四半期で大幅に進捗していることを踏まえ、ここのところ、とくに企業さまの持っていらっしゃるもの、学校さまの持っている分の寮を、当社に全面的に運営してほしいという申し出が非常にたくさん来ていますので、それをつないでいくだけで、この開発目標の達成は問題ないと思います。

少し見にくいですが、こちらのスライドの中で赤色の字にしている開発案件は、インバウンド比率が高い施設です。当期には、先ほど言いましたように、野乃浅草・北海道富良野も開業予定としています。

なお、物件名の先頭に「[L]」と書いているのは、今後の予定も含めたリース物件です。寮・ホテル全体の第2四半期のリース比率は89.8パーセントとなっています。今後も上昇させていく予定です。

不動産流動化の推進

ここで、「これだけの資金があったんですか?」ということについて、説明しなければなりません。これだけ開発を行っていくときには、当然ながら、現在の金融緩和と言えども、「資金バランスは大丈夫か」ということになります。

当初、この中期経営計画を達成するためには、1,400億円の開発投資が必要と見ていました。営業キャッシュ・フローと外部調達、借入を合わせて1,100億円。そして、不動産流動化で300億円という内訳でスタートしたのですが、その後、三井住友ファイナンス&リースさまとの契約により、650億円の流動化枠を確保しました。物件も決まりましたし、枠が確保されたということで、その分が飛躍的に増えました。

実際、この上期に、神戸・野乃浅草・琴平の3物件の流動化を実施したことにより、前期までの2年間で、当初計画である300億円の流動化をすでに達成しています。この残りをどうしていくかというと、計画的に進めてまいります。

ここで大事なのは、この新たな650億円の流動化枠を確保したおかげで、新たに200億円から300億円の資金が創出される目処が、具体的についていました。前回も言いました「このお金はどう使うんだ」という話ですが、現状においては、その多くを追加的な開発投資に振り向け、さらなる利益創出を図りたいと考えています。なお、株主還元のさらなる充実についても並行して考えます。

安定的な人員・人材確保

もう1つ、「これだけの開発をしていくための人材は大丈夫なのか」いう問題です。結果的には、私どもは、いままでの学校さまとの取引等がございまして、必要な人員・人材を確保できています。「今回の開発計画に伴って何名いるんだ」ということについても、現状では対応できるということです。

それよりも、むしろ質の問題になってきます。ドーミーインでは、とくに外国語対応可能な方ということで、もしも地方にスタッフがいない場合でも、当社のコールセンターへの電話で対応する体制を敷いていますし、少なくともインバウンドの多い首都圏・関西エリアについては、フロントデスクに外国語対応可能スタッフを必ず1名以上、常時配置しています。

そしてもう1つ、人員に関する大きな問題が、清掃・リネンのスタッフです。当社ブランドの強みを活かして、国籍を問わず、直雇用・直教育をしている自社直営が18棟ございますが、その他は複数業者の業務委託運営などにより、十分なスタッフが確保できています。

最近、テレビで『ハナ旅』という番組を放送しています。私どもが提供している番組で、女性がいろいろなリゾート地を巡って、その地域の宣伝をして、その地域の真ん中にうちのホテルがあるというもので、非常に好評なかたちでスタートしています。

単に「ここのホテルがすばらしい」ということは、もうみなさんにわかっていただいていますので、このような番組を流しながら、海外の方を含めて、日本の方にもエリアを宣伝して、「このエリアなら旅行してみたいな」というお客さまのニーズを呼び起こし、そのニーズに合ったところに当社のホテルがあるということをお知らせしています。こちらは非常に好評ですので、ぜひご覧いただければと思います。

このようなかたちで、お客さまをより私どものホテルに仕向けるために、単にホテルの良さだけではなくて、地域と連携しながら進めていくつもりです。今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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