厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業年報』(2017年)によれば、厚生年金(第1号)の平均年金月額は、男性平均が16万5668円、女性平均が10万3026円となっています。一方の国民年金は、男性平均が5万5923円、女性平均が5万200円

夫が民間企業に勤務、妻は専業主婦という夫婦の年金額をざっくり平均値で考えた場合、世帯収入は、16万5668円+5万200円=21万5868円となります。

また、一方で、2019年9月に生命保険文化センターが公開した『令和元年度「生活保障に関する調査(速報版)』によれば、「老後の最低日常生活費」の平均額は22.1万円。その一方、「老後のゆとりのための上乗せ額」の平均額は14.0万円と示されています。

しかし、これはあくまで夫婦2人で生活する場合の話。年金受給者である高齢者が、ひきこもっている子どもの生活をも支えるとなると、そのぶんは、自分たちの老後資金から…ということは容易に想像がつきます。

親に万が一のことがあった場合は、生活保護?

「8050問題」を考える時、「親に万が一のことがあれば、残された子どもの生活は生活保護頼みになる。ひきこもりの人が増えると、生活保護のシステムが破綻してしまうのでは?」という意見を耳にすることがあります。では、こういった家庭の生計者に万が一のことがあった場合、ひきこもりの人は即生活保護対象者となってしまうのでしょうか?