2019年11月7日に行われた、株式会社ユナイテッドアローズ2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社ユナイテッドアローズ 代表取締役 社長執行役員 竹田光広 氏
株式会社ユナイテッドアローズ IR 広報部 部長 三井俊治 氏

2020/3期2Q累計 業績総括

三井俊治氏:本日はお忙しいなか、株式会社ユナイテッドアローズの2020年3月期第2四半期決算説明会にご出席いただき、誠にありがとうございます。本日の進行を務めます、IR広報部の三井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず最初に第2四半期の概況を私よりご説明します。続きまして、重点施策の進捗等について代表取締役の竹田よりご説明します。その後、11時まで質疑応答の時間とします。

なお、業績説明については主に総括のページを中心にご説明します。

第2四半期累計の業績総括です。連結PLについて、売上高は前年同期比103.9パーセント、経常利益は124.6パーセントの増収増益となりました。売上総利益率は、前年同期差プラス0.2ポイントの51.7パーセント。こちらは、一部の連結子会社やアウトレットの改善によるものです。

販管費率につきましては、前年同期差0.8ポイント低減し、46.4パーセントとなりました。こちらは株式会社UA、株式会社コーエンの固定費の減少などによるものです。営業利益につきましては前年同期比で128.8パーセント、経常利益は同じく124.6パーセント、四半期純利益は129.2パーセントとなりました。

単体 売上高実績 チャネル別

続きまして、単体の売上です。既存店売上高は、小売が前年同期を下回りましたが、ネット通販が2桁増となり、トータルでは前年を超えております。

チャネル別の構成比では、ネット通販売上構成比が21.5パーセントとなり、前年同期から2.4ポイントの伸長となりました。既存店の客数につきましては、小売が前年同期を下回っておりますが、小売とネット通販が合計で前年同期を上回りました。

連結 BS実績

続きまして、たな卸資産のご説明です。たな卸資産につきましては、前年同期末比104.7パーセント、売上高が103.9パーセント伸び、売上の伸びを若干上回りました。こちらは、消費増税の駆け込み需要に向け納品の前倒しをしたことや、オリジナル商品の拡大により生地や副資材等の原材料が増えていることなどが主な要因です。

グループ合計小売出退店 2Q累計実績、通期見込み

続きまして出退店です。第2四半期累計の実績では、グループ合計の出店数が12店舗、退店数が11店舗で、第2四半期末の店舗数は359店舗です。通期の見込みではグループ合計の出店が25店舗、退店が16店舗、期末店舗数が367店舗の予定です。

グループ会社の進捗

続きまして、グループ会社のご説明です。フィーゴにつきましては減収増益となりました。コーエンにつきましては売上高が前年同期並みで増益となっております。CHJPにつきましては増収増益となりました。

また、グループ会社につきましてはいくつか新しい取り組みがあるため、後ほど竹田よりご説明いたします。以上が業績のご説明です。続きまして、竹田より重点取組課題の進捗等について説明いたします。

「ユナイテッドアローズ オンラインストア」 について

竹田光広氏:竹田でございます。本日はみなさまご多忙のところ、弊社の説明会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。今期は新経営理念を軸に中期最終年度の計画必達を目標に掲げ、中期経営計画仕上げの年としてさまざまな施策を進めております。

本日はその中から3点ほど説明します。1つ目は、今秋に予定していた自社ECサイトの自社運営化の延期にいたった背景と、今後の考え方について、2つ目は、連結子会社の吸収合併と、新設について、そして3つ目には、中長期的な業績成長の見通しについてご説明します。

それではまず最初に、自社ECサイトについてです。ユナイテッドアローズオンラインストアは、自社運営化に向けた開発の遅延によりまして、9月12日よりサイトを停止しております。本件につきましては、お客様をはじめとするステークホルダーのみなさまに、多大なるご迷惑とご心配をおかけしてしまったことを心からお詫び申し上げます。

本日は、この背景と今後の考え方についてご説明申し上げます。当初、今秋を目処に自社ECサイトの自社運営化を予定していましたが、サイトの切り替え直前に開発の遅延が発覚しました。この状態では当社の求めるサイト品質を確保できないと判断し、一旦切り替えを見合わせたという状況です。

この決定が直前となったため、自社ECサイト開発並びに保守を従来委託していた取引先様との契約延長の手が打てず、サイトを停止せざるを得なくなったという経緯です。

サイトで商品をご覧になってから来店されるお客様が増える昨今、これ以上サイトを停止することは、お客様にさらなるご迷惑おかけしてしまうため、自社運営化とオムニチャネル施策の開始を一旦延期し、11月27日を目処に従来の自社ECサイトでの運営再開を予定しています。

自社運営化によるオムニチャネル施策は、当社の今後の成長を支える重要施策であると認識しています。まずはそのために社内の組織体制も変更し、マネジメントを強化し、必ず遂行してまいりたい所存です。

12月1日付で自社EC開発部を社長直下に新設し、担当執行役員として過去に情報システム部長、並びにデジタルマーケティング部長としての実績を持ち、現在は経営企画部とファッションマーケティング部の担当執行役員を務める高田を任命しました。

専門組織として推進することで責任の所在を明確にし、行動計画に基づいて進捗管理を行いながら、今後の開発を適切に進めていきます。この組織の発表については手続きの都合上、12月に組織を設立するということになっていますが、すでにこの体制でプロジェクトの管理をスタートしています。

また、今回の件につきましては、内部監査室を中心に開発遅延とサイト中止にいたった原因と責任の所在を明らかにするよう調査を進行中でございます。この調査結果に基づき、然るべき適切な処置を下す方向でございます。

連結子会社の吸収合併および新設について

続いて、中期ビジョン推進の一環として連結子会社の吸収合併及び新設についてご説明します。まず吸収合併についてです。中期ビジョン4つの戦略の1つである強い経営基盤の確立に向け、連結子会社の株式会社Designsを株式会社UAに吸収合併することを決定しました。吸収合併の時期は2020年の2月を予定しています。

株式会社Designsは2015年9月に設立し、オリジナルのウィメンズブランドである「BLAMINK」をメインに3店舗を展開しております。客単価は10万円を超え、既存のマーケットにある商品ではご満足いただけない富裕層のお客様を対象に売上が好調に推移しているものの、本部経費等を賄えず収益面では赤字でした。

このため、より効率的なグループ経営の推進に向け、株式会社UAに吸収し第1事業本部内で運営することとしました。商品面、販売面、販促面で第1事業本部の持つ機能を活用することにより効率的な運営ができると考えています。今後は株式会社UA内でハイエンドマーケットを担う事業として育てていきます。

次に、連結子会社の新設についてです。中期戦略の1つであるお客様との接点の拡大に向け、中国に現地法人を設立することを決定しました。お客様との接点の拡大につきましては複数の項目を設定していますが、現在は海外展開の拡大をメインに推進しています。

海外展開については2013年に台湾に現地法人を設立し、実店舗5店舗と自社ネット通販を運営している状況です。また直近ではグリーンレーベルリラクシング及びコーエンのネット通販や、期間限定店舗についてお客様から好反応をいただいています。特にコーエンにおきましては今期に台湾で初出店にいたっております。

今後、展開を開始する中国においても、グリーンレーベルリラクシング及びコーエンを成長のメインに考えています。今後の見通しなどは現在社内で最終調整中でして、2020年5月の次期中期経営計画にて説明を予定しております。

中長期的な業績成長の見通し

次に、グループ会社の今後の連結動向を踏まえた中長期的な業績成長の見通しについて説明します。当社の連結子会社であるCHROME HEARTS JP合同会社については2016年5月に開示したとおり2020年12月に連結から外れるため、今後の業績成長についてのお問い合わせが増えている状況です。

このため、次期中期経営計画の発表前にはなりますが、今回の説明会で方向性を説明することといたしました。まず、ごく簡単にCHJP社との契約の概要を説明します。

当社は2016年から、段階的にブランドホルダーへCHJP社の株式を有償譲渡しています。

2019年10月末現在、当社はCHJP社の株式の75パーセントを保有しております。2020年12月末に連結から外れ、2024年12月末に100パーセント譲渡が完了する予定です。契約上詳細な譲渡のスケジュールや譲渡金額、またCHJP社の収益などは非公開ですが、ご理解いただけますと幸いです。

続きまして、今後の業績成長の見通しについて説明します。2020年12月末のCHJP社の非連結化により、連結売上高、営業利益、経常利益には一定のマイナスインパクトが発生する見通しです。

一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、非連結化に伴って非支配株主に帰属するマイナス分の剥落や投資損益のプラスの発生等により、継続的な利益の成長を目指します。

CHJP社の株式譲渡に伴うキャッシュインは、中長期成長へ向けた投資に振り向けるとともに株主還元に活用し、非連結化以降も高い資本効率を目指していきます。

これらを踏まえ、次期中期期間においては、事業の成長拡大と収益性改善を目指すとともに、高い資本効率の維持、EPSの持続的な成長も視野に経営を推進していく所存です。次期中期経営計画の具体的な成長戦略、目標などは2020年の5月に発表する予定です。

最後に、10月の消費増税以降、お客様の購買姿勢は非常に慎重になっていると感じております。先日開示した10月の動向は非常に厳しくはあったものの、月の後半から徐々に回復傾向にあります。

今後も適時に適切な施策を打ちながら対応を行い、中期最終年度の目標必達に向け全社を挙げて取り組んでいく所存です。引き続き、ご指導、ご鞭撻、ご支援をいただけると幸いでございます。ご清聴ありがとうございました。

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