たしかにかわいらしいデザインで子どもが遊びたくなる「あそぼん!グミ」。しかし、親としては「食べ物で遊ぶ」という習慣を助長してしまうのではないかと不安にもなります。

その点について片桐さんに深く聞くと、「あくまでワンアクションにとどまれる質感にこだわりました。粘土のようにこねたり何度も触って遊んだりするおもちゃではなく、目で見て手に取って動物の形やカラフルな色を楽しんだあとにパクっと食べられるようなシチュエーションを想像しています」という返答がありました。

2020年の春に発売される「あそぼん!グミ」

おやつを通じた食育や親子のコミュニケーションはどうすればいい?

そもそもグミは、知育の面ではどのようなメリットがあるのでしょうか。

記者発表にゲストとして登壇した内田さんは「噛んだ時の音が振動として耳から脳に伝わり、食べる時の触覚は大脳辺縁系に刺激を与え、快適な感情状態を引き起こします。また噛むことで楽しさや嬉しさ、おいしさが感受され、飲み込む時には嚥下能力も発達させるなど、グミはとてもいい反応を及ぼすと言えます」と語ります。

また内田さんは、「乳幼児から児童期にかけての子どもは、まわりにあるものの中で自分が操作できるものが大好きです。特に生き物、乗り物、食べ物には強い関心を持ちます。保育園に行く途中に見る草や花、葉っぱなどなんでもおもちゃにするように、おやつも子どもの遊びを誘う“遊誘財”と捉えることは子どもの好奇心を育むでしょう」と、説明していました。

また総合学習である食育は、人と関わることの社会性やマネジメント能力などの非認知能力を育むとも内田さんは言います。一般的にグミは、歯がしっかり生えそろって咀嚼可能な年齢からでないと与えるのが難しいおやつ。だからこそ、食べ物はちゃんと噛まなければいけないものだ、と伝えるための道具にできるそうです。