その時点で、Tさんの貯金は約50万円。ボーナスと合わせれば、入学金は払うことができると考えていたようです。学資保険は入っていません。高校3年間に支給された「高等学校等就学支援金」(年収約910万円以下の世帯に対して、授業料に充てるための国からの支援金)で浮いた学費は塾代の一部に。
大学に入ってからの学費は、高校の授業料をスライドして、足りない分は奨学金を借りればいいと思っていました。だから、Tさんがお子さんの教育資金の名目で貯めていたお金は一切ありません。「子どもは勉強をやる気になっていましたから、大学に受かっても、お金を払えないかもしれないなんて言えません。指定校推薦ですから、合格すると簡単に辞退というわけにもいかないし…。その時ばかりは、どうしようかと思いました」
子どもの大学進学費用。いったいいくらかかるもの?
Tさんが、「払えないかも」と言えなかったように、子どもが大学進学を希望するなら、親としてはその希望を叶えてあげたいですよね。ところで、現実的な問題として大学の費用はいくら必要なのでしょうか。
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」によると、以下のように報告されています。