相手を見て微笑み、声のトーンと話す速度を合わせるだけで相手には「感じのいい店員さんだな」という印象を与えることができ、クレームを阻止することにつながるのです。

電話の場合はどうしたらいい?

あるコールセンターで働くBさんは、顧客の過剰なクレームに辟易としていました。先日も、ほんのささいなことで「損害賠償を請求するぞ」「お前の対応で精神的に深い傷を負った」などと、あることないことを言われてしまったのだと言います。

実際にBさんの応対を聞かせてもらいましたが、その中で問題は3つあるように感じました。1つは、相槌を打つタイミングが早いということです。相手が完全に話し終わるまでに「ええ、そうです」「はい、かしこまりました」などと相槌を打っていたのです。それでは相手が不快に感じてしまうこともあるでしょう。

2つ目は、質問に対して的確に答えないことです。顧客から「これってリンゴだよね?」と訊かれても、Bさんの答えは「これは実は3日前に青森県の山本さんが収穫し、産地から都内に直送されてきていて、鮮やかな赤と甘い香りが特徴の、糖度が高くてとてもおいしいリンゴです」というような回りくどい説明になっていたのです。

付加情報を説明したい気持ちはわかりますが、この場合まずは顧客の質問に的確に答えることが大事です。たとえば「はい、リンゴです。実は3日前に青森で収穫されたばかりなのですよ」と答えると、相手も的確に答えがわかるうえに、おトクな情報を教えてくれたような気分になりますよね。