「まだ下の子の妊娠がわかる前、長男がイヤイヤ期に突入したんです。とにかくやりたいこと優先。だしたおもちゃを片づけないし、散歩に行けば、『自分で歩く』と言っていたのに結局抱っこ。『こうしなさい』といえばイヤイヤがはじまる…。もう、そうなるとこちらもイライラMAXでしたね。だって、朝や夕方の忙しい時間帯にそれをやられてしまうと、もうそのあとの予定がめちゃめちゃですもの。」

毎日、叱って、言うことを聞かせるの繰り返し。でもある日Fさんは、自分の母親が、イヤイヤしている長男に対して、怒っている姿を見て、はっとしたそうです。今まで「しつけ」だと思って長男を怒っていたけれど、「支配」になっていたのでは?と。

「だから、今度は、子どもの意見を代弁する育児法というのに挑戦したんです。長男がイヤイヤをはじめたたら、『これがやりたかったんだね?』と根気強く説得してみるという感じです。でも、これも駄目でした。長男の相手に相当な時間をとられるので、その分家事ができず、家が散らかってしまって。余計イライラが募りました。」

結局、Fさんは、「息子も私も、まだまだ未熟。ひとりの人間として機嫌の悪いときもある。だから息子の言い分を聞いたうえでなら、こちらの都合を主張しても構わないのでは。」と割り切ったそうです。「ある程度長男のイヤイヤの理由を聞く努力をしたら、あとはこちらの都合にもあわせてもらう。自分自身のイライラを否定しないことで、ようやく長男の気持ちも認めてあげられるようになって。それでイヤイヤ期を乗り切ったという感じです。」

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