付け焼き刃現地語習得⑤

まったく言葉が分からない土地でも、たとえば飲食店で「なんか分かんないけど」メニューを指さして、身振り手振りで取り敢えず注文することはできます。

そうして注文した「なんか分かんないもの」がとてもおいしいこともあったり、「わからない」ということもそれはそれで楽しいことなのですね。言葉の勉強もするけれど、こういう楽しさも旅の醍醐味のひとつでしょう。


低橋さんは旅の手帳を読み返していて外国語のメモがいくつか出てきたので、旅の途中でのできごとを思い出して漫画にに描いたのだそうです。目にとまるほどのメモが出てきたということは、やはり現地の言葉は大切だということなのでしょう。

海外へ出ると、使用されている言葉はガラッと変わってしまい、日本語と似ている言葉にはほとんど出会えません。日本語を母語としている人は改めて行く先々の言葉を覚えなければならないのですが、文法も発音も、まったく違うものを覚えるのはなかなか難しいものです。

それでも、うろ覚えでも、全然わからなくても何とかなることも場合によってはあるというエピソードは、これから海外へ行こうという人をちょっと安心させてくれるものだったのでは?

このように実体験をわかりやすく漫画で、しかも親しみやすい絵柄、読みやすいゆるい作風で描かれていると、読みものとして楽しいし、見知らぬ土地へ行くことへの不安を少なからず持っている人には、一歩踏み出す勇気の素になりそうです。