婚活アプリや結婚相談所のプロフィールの書き方を相談されることが多いのですが、「こういう場合、趣味は何と書けば正解ですか?」「女性ウケがいい趣味は何ですか?」と、答えを教えてくださいという質問をよくいただくのです。

就活、進学ではそういう丸暗記も効果あったかもしれませんが、婚活の場合、あまり効果がありません。採用であれば、期日内にエントリーがあった人の中から選ぶでしょう。結婚相手を探す場合、あまり明確な期日がなく、いい人が現れるまで待つというスタンスの方が多いのです。

そのため、可もなく不可もなくだけれど、「他に相応しい候補者がいないから採用」とはなりません。

一緒にいて楽しいとか、居心地がいいとか、そういう答えのないところで人は相手を選ぶのです。

学校のテストであれば、正解と不正解がはっきりしているでしょう。人間関係は好き・嫌いの間に「友達としてアリ」、「嫌いじゃない」、「興味がない」など様々な状態があります。マニュアルを欲する人は正解・間違いと二極化に捉えがちですが、人の気持ちはそんなきっぱり別れる訳じゃない。

異性として好意を抱いていない人でも丁寧に接して会っていくうちに、徐々に「一緒にいたいな」という感情に変わっていくことはあるのです。正解探しを辞めて、目の前の相手に好かれる見返りを期待せず、人として興味を持つことをまずやってほしい。

デートの話題が大学受験

Aさんはある男性と2回目のデートで飲みに行きました。趣味のスポーツの話から、学生時代の話になったそうです。

そこから、彼が東京工業大学卒業(卒業生は大前研一氏や菅直人氏など)という難関大卒だということが分かりました。
「でも、東工大は後期で受験した。前期で東大受けたんだ。東大は浪人したら合格できたと思うけど、うちはそんなに裕福じゃなくて、浪人は親から反対されて。だから東工大にいった」
と言ったのです。

『東工大卒だってすごいと思うよ』
とAさんは言いましたが、「数学ⅡBのテストで試験会場から出てから、正解を思い出して悔しかった」などと、受験の話をし始めたのです。その彼は30代。

10年以上前の受験の話に熱くなる彼にドン引きしてしまいました。
また会おうと誘われましたがAさんは断ったそうです。

学歴差別をする30代事務職女性

今から30~40年前であれば、大学進学=一流企業就職が保障されていたかもしれません。1990年代半ばの就職氷河期の頃は、一流大卒でも正社員で就職できないという人は大勢おりました。中にはそのころに非正規雇用で採用され、今も非正規雇用のままという方もいらっしゃるでしょう。

就活で失敗した女性が、結婚で人生逆転を狙おうとすることもあります。
ある女性は県下で一番の進学校を卒業しました。しかし、現在は30代実家暮らしで派遣で事務をやっているそうです。

婚活で様々な男性に会っても、
『あんまり頭がよくない高校だ。結婚して子どもができたら教育方針でぶつかりそうだな』
などと、告白すらされていないのに、卒業高校以外に相手のパーソナリティーを知ろうとしません。

実際に過去には、出身校の名前を言って相手の男性が「すごいね」と言って引いたように感じたことがあったそうです。それ以来、自分がなかなか結婚できない原因は学歴が高すぎるからだと思っていたそうです。

学歴が高すぎるのではなく、学歴とプライドだけがムダに高く、生活力が年齢に伴っていないから結婚相手として見られないだけなのですが。

自分がどの程度の人間か、テストには絶対出ないことですが、向き合うべきなのですけれど…。

田中 菊乃