5. 【元公務員の視点】「2カ月分40万円」がそのまま口座に入るとは限らない

筆者が元公務員として国民健康保険や後期高齢者医療制度を担当していた頃、窓口では「天引きされる額が急に上がった」という相談を受けてきました。振込額は、こうした保険料や税金を差し引いたあとの額です。

日本年金機構によると、65歳以上で年間の受給額が18万円以上ある人は、介護保険料が振込の前に差し引かれます。国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料、個人住民税も、条件にあてはまれば同じように天引きされます。

5.1 天引きされる額を決めるのは市区町村

天引きされる保険料や住民税の額は、日本年金機構ではなく、住んでいる市区町村が決めています。2026年度からは、国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料とあわせて、子ども・子育て支援金も徴収されるようになりました。

保険料の額が変わった理由は、市区町村から届く通知書で確かめられます。窓口に立っていた当時は、通知書を一緒に見ながら、保険料の計算の根拠を説明していました。

5.2 「年金振込通知書」で額面と振込額を見比べる

毎年6月に届く「年金振込通知書」には、天引き前の「年金支払額」と、差し引いたあとの「控除後振込額」が並んで書かれています。40万円という額面と、実際に口座に入る額を分けて見ておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

振込額が変わる場合は、その都度、日本年金機構から通知が届きます。気になる点があれば、保険料や住民税は市区町村の担当窓口に、振込額そのものは年金事務所に問い合わせてみてください。

6. まとめにかえて

12月15日に振り込まれるのは、10月分と11月分の2カ月分です。1回で40万円を受け取るには、月額20万円が必要になります。

厚生年金の受給額でこの水準に届くのは、男性で4人に1人あまり、女性では1.7%です。加入していた期間と現役時代の収入の差が、そのまま受給額の差につながっています。

ほかの人と比べる前に、まずは自分の額を正しく知ることが出発点になります。見込額や振込額で分からないことがあれば、年金事務所や「ねんきんダイヤル」で相談してみてください。

参考資料

太田 彩子