3. 公営住宅の名義人との同居の期間と収入の条件は?入居時から同居していなければ同居1年以上、承継後の収入が基準以下であることが必要

公営住宅法施行規則第12条は、事業主体が承継を承認してはならない場合として、次の3つを挙げています。

  • 【同居の期間】名義人と同居していた期間が1年に満たない(名義人の入居時から引き続き同居している親族は除く)
  • 【収入】承継した後の収入が、公営住宅法施行令第9条第1項の金額(高額所得者の基準)を超える
  • 【名義人の状況】名義人が、家賃の滞納など明け渡しを求められる事由に当たっていた

自治体はこの上に条件を重ねています。東京都は、承継する世帯の収入が入居収入基準以下であること(例外の高齢者・障害者・病弱者は高額所得者の収入基準以下)、承継する人が成人で、同居者を含めて持ち家がないことを求めています。西宮市は、一時同居や介護のための同居の承認を受けた人は申請できないとしています。

収入は、公営住宅の入居のときと同じ「政令月収」(世帯の所得から控除を引いて12で割った額)で見ます。東大阪市の案内では、高額所得者の基準は月31万3000円です。

4. 公営住宅の名義人が亡くなったあとの申請の期限は?千葉県営住宅は30日以内。承継できないときの退去までの猶予は、東京都・西宮市が6か月、大阪府営住宅は1年以内

名義人が亡くなったら、まず事業主体(または管理をしている住宅供給公社)に届け出ます。申請の期限と、承継が認められなかったときの扱いは、確かめた事業主体で次のように違いました。

  • 【千葉県(県営住宅)】承継の事由が生じてから30日以内に承認を受ける。申請書に住民票・戸籍謄本など事実を証する書類を付ける。認められない場合は、期限を定めて明け渡しを求める
  • 【東京都(都営住宅)】すみやかに「住宅世帯員変更届」を出し、承継を希望するなら「住宅使用承継申請書」を出す。認められない場合は、名義人の死亡などの日から6か月が退去の猶予期間で、過ぎると翌月から近傍同種住宅の家賃相当額を負担する
  • 【西宮市(普通市営住宅)】認められない場合の明け渡しの期限は、名義人の死亡などの日の翌日から6か月を経過する日の属する月の末日。転居先が決まらないなどの理由があれば、申請で最長6か月延長できる。期間中も家賃相当額を納める
  • 【大阪府(府営住宅)】承認を受けずに住んでいる同居者は、名義人の死亡などの日から1年以内に退去する(大阪府営住宅条例施行規則第22条第4項)

申請の期限が30日と短い事業主体もあれば、期限より先に「すみやかに」届け出ることを求める事業主体もあります。葬儀や相続の手続きと重なる時期ですが、公営住宅の届け出は早めに済ませておくと、猶予の期間を考えるうえでも見通しが立てやすくなります。

ここからは、承継できずに民間の賃貸に移ったときの家賃と初期費用を見ていきます。