iDeCoのシミュレーションは「節税・運用・受取」の3つの軸で整理すると、将来の見通しが立てやすくなります。本記事では、所得別の節税額や利回り別の将来資産、一時金と年金の受け取り方の違い、公式ツールの使い方を解説。2026年12月分からの拠出限度額の引き上げを反映した試算も紹介します。
物価高が続くなか、老後資金の準備手段として、iDeCo(個人型確定拠出年金)への関心が高まっています。
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象で、運用益は非課税、受取時も一定額までなら税負担がかからないという、税制優遇に強みを持つ制度です。しかし、制度名称を聞いたことはあっても、iDeCoを使うといくらの資金を貯められるのか、税負担がどれくらい軽くなるのかはわからない人もいるのではないでしょうか。
iDeCoを始める際は、将来受け取れる金額をシミュレーションし、効果を検証するのが重要です。
本記事では、ファイナンシャルプランナー監修のもと、iDeCoシミュレーションの基本となる「3つの軸」(節税・運用・受取)を整理し、新NISA・ふるさと納税との併用試算や、iDeCoシミュレーションを行なう際の公式ツールの使い方まで、やさしく解説します。
1. 【iDeCo】シミュレーションは「3つの軸」で整理する
iDeCoのシミュレーションは、主に以下の3点を確認しましょう。
| 節税シミュレーション | 掛金が所得控除された場合の所得税・住民税の負担軽減額(年間節税額の概算式は 掛金合計×(所得税率+住民税率10%)) |
| 運用シミュレーション | 掛金を一定の利回りで運用した場合の将来資産額 |
| 受取シミュレーション | 一時金・年金・併用で受け取る場合の税負担額 |
iDeCoは、拠出した掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。運用益は非課税で再投資され、受取時には一時金であれば退職所得控除、年金であれば公的年金等控除の対象となります。なお、受け取りの際は一時金と年金の併用も可能です。
一方で、投資信託などの運用商品には元本割れのリスクがあります。また、iDeCoの資産は原則として60歳まで引き出せません。
シミュレーションをする際は、上記の3点を中心に、家計の余裕資金額や運用期間なども確かめたうえで実施しましょう。
なお、iDeCoの拠出限度額は加入区分で異なります。2026年12月分の掛金(2027年1月引き落とし分)からは、以下のように引き上げられます。
| 国民年金第1号被保険者(個人事業主・フリーランスなど) | 2026年11月分まで:月額6万8000円 2026年12月分から:月額7万5000円(国民年金基金・付加保険料と合算) |
| 国民年金第2号被保険者(会社員) | 企業年金がない場合:2026年11月分までは月額2万3000円、12月分からは月額6万2000円 企業年金に加入している場合:2026年11月分までは月額2万円、12月分からは企業年金と合わせて月額6万2000円 |
| 国民年金第3号被保険者(専業主婦・主夫) | 月額2万3000円(2026年12月分以降も据え置き) |
| 公務員 | 2026年11月分まで:月額2万円 2026年12月分から:共済の掛金相当額と合わせて月額6万2000円 |
また、2026年12月からは、一定の要件を満たせば70歳になるまでiDeCoに加入し、掛金を拠出できるようになります。
シミュレーション前に、毎月の掛金をいくらに設定しておくか決めておくと、老後資金の見通しが立ちやすくなるでしょう。