6. iDeCoの節税効果が出にくいケースとは

iDeCoは節税効果が期待できる制度ですが、誰もが同じような効果を得られるとは限りません。節税効果が出にくいケースとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 所得税・住民税が非課税または金額が少ない
  • 手数料負担が大きい
  • 住宅ローン控除などほかの控除の影響で税額が少ない
  • 扶養内で働いていて課税所得が少ない

iDeCoの節税は「払う税金を軽くする」しくみです。そのため、もともと税金がかからない方には、所得控除による節税のメリットが生じません。

また、iDeCoでは加入時、掛金拠出時、資産管理時、受取時に手数料がかかります。掛金が少ないと、節税効果や運用益に対して手数料の負担が大きいと感じやすくなります。

ただし、所得控除による節税効果が小さい場合でも、運用益が非課税になる点や、老後資金を計画的に準備しやすいといった、ほかのメリットは享受しやすいです。節税の観点のみで考えるのではなく、資産を運用する目的なども考慮して使うのが望ましいです。

6.1 【FPの視点】iDeCoの節税効果をどう活かす?

iDeCoの節税効果を確かめる際は、節税額に加えて家計への影響や資金計画といった面も整理するのが重要です。主なポイントとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 課税所得や所得税率
  • 所得税額・住民税額
  • 毎月の掛金額と拠出限度額
  • 住宅ローン控除などの税額控除制度による控除額
  • 手数料などの運用コスト
  • 受け取る際の方式(一時金・年金)
  • 運用時のリスクの許容度

iDeCoは、あくまで老後資金づくりを目的とした制度です。原則60歳までは資金を引き出せないため、家具の買い替えや旅行のお金など短期的に使う予定の資金や、生活費・緊急時の備えを圧迫してまで拠出すると、必要なときにお金を使えなくなってしまいます。

2026年12月からは上限が大きく引き上げられますが、上限まで拠出することが正解とは限りません。家計に無理のない金額を設定しましょう。

また、iDeCoで運用する商品は自分自身で選ぶ必要があります。商品の内容やリスク、手数料を比較し、現在の自分の家計や資産状況、老後資金の目標金額にあったものを選びましょう。