4. iDeCoの節税額の計算方法

iDeCoの年間の税負担軽減額は、以下の式で計算できます。

  • 年間の税負担軽減額=年間掛金額×(所得税率×1.021+住民税率10%)※復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含む

上記はあくまで概算の数字のため、おおよその節税額を確かめたいときに有効です。

たとえば、毎月1万円を拠出する場合、年間掛金は12万円です。

  • 1万円×12カ月=12万円

所得税率10%、住民税率10%の場合、年間の税負担軽減額は以下のようになります。

  • 12万円×(10%×1.021+10%)=約2万4300円

iDeCoの節税効果は、所得税の還付や住民税の軽減といった形で受けられます。所得税分については、年末調整や確定申告で精算され、住民税分は一般的に翌年度の住民税に反映されます。

掛金を払った時点で必ず現金が戻ってくるわけではないため、注意しましょう。

5. 【職業別】iDeCoの掛金上限と節税効果の見方

iDeCoの掛金上限は、職業や勤務先の企業年金制度によって異なります。2026年12月分の掛金から、拠出限度額は以下のように変わります。

加入区分 2026年11月分まで 2026年12月分から
自営業者など(国民年金第1号被保険者) 月6万8000円 月7万5000円
企業年金のない会社員 月2万3000円 月6万2000円
企業年金に加入する会社員・公務員 原則月2万円 企業年金と合わせて月6万2000円
専業主婦・主夫など(国民年金第3号被保険者) 月2万3000円 月2万3000円(据え置き)

※2026年12月分の掛金は、2027年1月に引き落とされます。自営業者などの上限は国民年金基金や付加保険料と合わせた額です。

また、2026年12月からは、一定の要件を満たせば70歳になるまでiDeCoに加入し、掛金を拠出できるようになります。

5.1 会社員の場合

企業年金のない会社員は、2026年11月分までは月2万3000円、12月分からは月6万2000円まで掛金を拠出できます。所得税や住民税所得割が課税されている人であれば、掛金額と税率に応じて税負担軽減効果が見込めます。

たとえば、所得税率10%、住民税率10%の人が月6万2000円を拠出した場合、年間の税負担軽減額は約15万400円です。

  • 74万4000円×(10%×1.021+10%)=約15万400円

勤務先に企業型DCや確定給付企業年金などがある場合は、企業年金の掛金と合わせて月6万2000円が上限になります。企業年金の掛金によって実際に拠出できる金額が変わるため、勤務先の制度を確認しましょう。

5.2 公務員の場合

公務員も、iDeCoの掛金は全額所得控除の対象です。2026年11月分までの拠出限度額は原則月2万円で、12月分からは共済の掛金相当額と合わせて月6万2000円が上限になります。

たとえば、所得税率10%、住民税率10%の年収帯の人が毎月2万円を拠出した場合、年間の税負担軽減額は約4万8500円です。

  • 24万円×(10%×1.021+10%)=約4万8500円

5.3 自営業者・フリーランスの場合

自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者は、2026年11月分までは月6万8000円、12月分からは月7万5000円まで拠出できます。会社員や公務員より掛金上限が大きいため、拠出額によっては所得控除額も大きくなります。

たとえば、月7万5000円を拠出する場合、年間掛金は90万円です。所得税率20%、住民税率10%で概算すると、年間の税負担軽減額は約27万3800円になります。

  • 90万円×(20%×1.021+10%)=約27万3800円

ただし、この上限は国民年金基金または国民年金付加保険料と合わせた額です。別の制度を併用している際は、それらを除いた金額がiDeCoの拠出限度額になるとおさえておきましょう。

5.4 専業主婦(主夫)の場合

国民年金第3号被保険者である専業主婦(主夫)も、iDeCoに加入できる場合があります。拠出限度額は月2万3000円で、2026年12月以降も変わりません。

ただし、専業主婦(主夫)の場合は配偶者の扶養に入るなどして、本人に所得税や住民税所得割がかからない場合があります。この場合は、掛金の所得控除による節税効果は生じにくくなるため、掛金額の設定の仕方には注意が必要です。

会社員や公務員と同じように制度自体は活用できるため、老後資金の準備方法としてiDeCoが適した方法であるかよく確かめたうえで使うのが望ましいです。