シニア向けマンションへの住み替えでは、購入費のほかに、管理費と修繕積立金が毎月の家計に加わります。分譲のシニア向けマンションは法律上は一般の分譲マンションと同じ位置付けで、介護が必要になったときの扱いも、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームとは制度の上で違います。

「シニア向け」という名前からは、毎月いくらかかるのか、介護が必要になったら誰が支えるのかまでは読み取れません。住まいを選ぶ側から見ると、この2つは契約の前に分けて確かめておきたい点です。

ここでは、これからシニア向けマンションを検討する人に向けて、費用と介護の扱いの基本を整理します。国土交通省のマンション総合調査から分譲マンションの管理費・修繕積立金の平均を確かめ、1年と10年の額を試算します。あわせて、サービス付き高齢者向け住宅の登録基準と有料老人ホームの類型から、介護が必要になったときの扱いの違いを整理します。

※管理費・修繕積立金は国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」、家計の数字は総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」、修繕積立金の積立方式は国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」をもとにしています(2026年11月5日に確認)。

※シニア向け分譲マンションの位置付けはUR都市機構の解説、サービス付き高齢者向け住宅は国土交通省の登録制度の概要と「国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則」、有料老人ホームは厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」をもとにしています。

1. シニア向けマンションの管理費・修繕積立金は毎月いくら?分譲マンションの平均は合計月約2万5000円(令和5年度調査)

国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」によると、分譲マンションの月・1戸あたりの平均は次のとおりです。いずれも駐車場使用料などからの充当額を除いた額です。

  • 【管理費】月1万1503円
  • 【修繕積立金】月1万3054円
  • 【合計】月2万4557円

UR都市機構の解説では、シニア向け分譲マンションのサービスは物件によって異なります。上の平均は分譲マンション全体の値で、シニア向けの物件では、これに物件ごとのサービス費が加わります。

今の平均額のまま払い続けた場合の額を試算すると、次のとおりです。

  • 【1年】約29万5000円(管理費約13万8000円、修繕積立金約15万7000円)
  • 【10年】約295万円(管理費約138万円、修繕積立金約157万円)

※試算の前提:令和5年度マンション総合調査の月・1戸あたりの平均(充当額を除く額)が変わらず続いた場合。サービス費・購入費・税金は含みません。充当額を含む総額では、管理費1万7103円、修繕積立金1万3378円で、合計月3万481円です。

※修繕積立金は、今の額がずっと続くとは限りません。国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、積立方法には、計画期間中に均等に積み立てる方式のほか、当初の額を抑えて段階的に値上げする方式(段階増額積立方式)があり、修繕のときに一時金を集める前提の物件もあります。ガイドラインは、将来の負担増を前提とする方式に留意が必要としています。

分譲マンションの管理費・修繕積立金の平均(月・1戸あたり)と、1年・10年に直した額1/1

分譲マンションの管理費と修繕積立金の月・1戸あたりの平均と、1年・10年に直した額の表

出所:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果 概要」をもとにLIMO編集部作成