3. 一時金は「退職所得」、年金は「雑所得」。税金のかかり方の違い

国税庁によると、確定給付企業年金を年金で受け取ると公的年金等の雑所得、一時金で受け取ると退職所得として課税されます。同じ企業年金でも、受け取り方で税金の計算方法がまったく変わるのです。

公的年金等には、国民年金や厚生年金のほか、確定給付企業年金の年金や、過去の勤務により会社から支払われる年金も含まれます。

3.1 一時金は退職所得控除を差し引ける

一時金で受け取る場合は、勤続年数に応じた「退職所得控除」を差し引けます。控除額は、勤続20年までは1年につき40万円、20年を超える分は1年につき70万円で計算します。

控除を差し引いた残りは、さらに2分の1にしてから税金を計算します。たとえば勤続38年なら控除額は2060万円で、ほかの退職一時金と合わせた額がこの範囲に収まれば、所得税も住民税もかかりません。

受け取る前に「退職所得の受給に関する申告書」を出しておけば、税金は受け取るときに差し引かれて精算されます。原則として、確定申告をする必要はありません。

申告書を出さなかった場合は、支給額の20.42%が所得税と復興特別所得税として源泉徴収されます。退職所得控除が差し引かれないため、多く引かれた分は確定申告で精算することになります。

3.2 年金は公的年金と合わせて毎年課税される

年金で受け取る場合は、国民年金や厚生年金と企業年金を合わせた額から「公的年金等控除」を差し引いて所得を計算します。65歳以上で公的年金等の収入が330万円未満なら、控除額は110万円です。

この控除は、公的年金と企業年金を合わせた収入に対して1回だけ使います。公的年金だけで110万円の控除を使い切っている人は、企業年金の分がそのまま所得に加わることになります。

なお、控除額は公的年金等以外の所得が1000万円以下の場合のものです。年金の支払いを受けるときには所得税が源泉徴収され、住民税は前年の所得をもとに翌年度に課税されます。

3.3 2026年分の所得税は基礎控除が104万円に

所得税の基礎控除は、2026年分と2027年分は合計所得金額489万円以下なら104万円に引き上げられました。一方で住民税の基礎控除は43万円のままなので、所得税はかからなくても住民税はかかる人もいます。

住民税は、所得に10%の税率をかける「所得割」と、定額の「均等割」などを合わせて納めます。次の章では、この仕組みに当てはめて税金を試算します。