定年まで勤めて受け取る退職金は、人生で一度きりの大きなお金です。まとまった額だからこそ、「税金でどれくらい引かれるのか」が気になる人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の「就労条件総合調査」(2023年)によると、大学・大学院卒の会社員が定年で受け取る退職金の平均は1896万円です。ただ、退職金にかかる税金は、金額だけでなく勤続年数によっても大きく変わります。
この記事では、退職金の平均額と税金の仕組みを確かめたうえで、勤続20年・30年・38年の場合の税金を試算します。会社に出す「退職所得の受給に関する申告書」の役割も見ていきます。
1. 【会社員の退職金】定年退職の平均は大学・大学院卒で「1896万円」
就労条件総合調査は、民間企業の賃金制度や退職給付の実態を調べる国の統計です。退職金の額は、勤続20年以上かつ45歳以上で退職した人を対象に集計されています。
1.1 学歴や職種で平均額は変わる
定年で退職した人の平均額は、学歴と職種によって次のように分かれています。
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1896万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1682万円
- 高校卒(現業職):1183万円
同じ管理・事務・技術職で比べると、大学・大学院卒は高校卒より214万円多い計算です。
大学・大学院卒の人が退職したときの所定内賃金は、平均で月43万5000円でした。退職金は、その月収の36.0か月分にあたります。
1.2 勤続年数で1000万円以上の開きがある
同じ大学・大学院卒の定年退職でも、勤続年数によって平均額は大きく違います。勤め始めた時期が遅いと、定年で辞めても退職金は少なくなるのです。
大学・大学院卒の定年退職の平均額は、勤続20〜24年の1021万円から勤続35年以上の2037万円まで開きがある1/2
出所:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成
- 勤続20〜24年:1021万円
- 勤続25〜29年:1559万円
- 勤続30〜34年:1891万円
- 勤続35年以上:2037万円
1.3 平均額には年金で受け取る分も含まれる
調査の退職給付額は、一時金だけでなく、企業年金の分を退職時点の価値に直した額も足し合わせたものです。大学・大学院卒の定年退職で、退職一時金の制度だけがある会社に限ると、平均は1623万円でした。
平均額はあくまで目安で、自分の退職金は勤め先の退職金規程で決まります。そのうえで、受け取るときにどれくらい税金がかかるのかを、次の章から見ていきます。