退職金に税金はかかるのか。大学卒の定年の平均「1896万円」でも勤続20年なら税金は123万538円、38年なら0円 退職金の税金の早見表つき!

執筆者太田 彩子
退職金に税金はかかるのか。大学卒の定年の平均「1896万円」でも勤続20年なら税金は123万538円、38年なら0円
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目次
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1. 【会社員の退職金】定年退職の平均は大学・大学院卒で「1896万円」
1.1 学歴や職種で平均額は変わる 1.2 勤続年数で1000万円以上の開きがある 1.3 平均額には年金で受け取る分も含まれる
2. 退職金の税金を軽くする「退職所得控除」
2.1 控除額は勤続年数で決まる 2.2 勤続20年を超えると控除の増え方が大きくなる 2.3 残りの2分の1に税金がかかる 2.4 住民税も受け取るときに差し引かれる
3. 【退職金の税金の早見表】同じ1896万円でも勤続20年なら「123万538円」
3.1 勤続20年なら1896万円で税金は123万円台 3.2 勤続30年なら30万610円に下がる 3.3 勤続38年なら2060万円まで税金は0円
4. 「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと20.42%が引かれる
4.1 1896万円なら387万1632円が先に引かれる 4.2 引かれすぎた分は確定申告で取り戻す
5. 【筆者の視点】退職金を受け取る前に確かめておきたいこと
5.1 退職金は国民健康保険料の計算に入らない 5.2 勤続年数の数え方を会社に確かめる
6. まとめにかえて
参考資料

定年まで勤めて受け取る退職金は、人生で一度きりの大きなお金です。まとまった額だからこそ、「税金でどれくらい引かれるのか」が気になる人も多いのではないでしょうか。

厚生労働省の「就労条件総合調査」(2023年)によると、大学・大学院卒の会社員が定年で受け取る退職金の平均は1896万円です。ただ、退職金にかかる税金は、金額だけでなく勤続年数によっても大きく変わります。

この記事では、退職金の平均額と税金の仕組みを確かめたうえで、勤続20年・30年・38年の場合の税金を試算します。会社に出す「退職所得の受給に関する申告書」の役割も見ていきます。

1. 【会社員の退職金】定年退職の平均は大学・大学院卒で「1896万円」

就労条件総合調査は、民間企業の賃金制度や退職給付の実態を調べる国の統計です。退職金の額は、勤続20年以上かつ45歳以上で退職した人を対象に集計されています。

1.1 学歴や職種で平均額は変わる

定年で退職した人の平均額は、学歴と職種によって次のように分かれています。

  • 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1896万円
  • 高校卒(管理・事務・技術職):1682万円
  • 高校卒(現業職):1183万円

同じ管理・事務・技術職で比べると、大学・大学院卒は高校卒より214万円多い計算です。

大学・大学院卒の人が退職したときの所定内賃金は、平均で月43万5000円でした。退職金は、その月収の36.0か月分にあたります。

1.2 勤続年数で1000万円以上の開きがある

同じ大学・大学院卒の定年退職でも、勤続年数によって平均額は大きく違います。勤め始めた時期が遅いと、定年で辞めても退職金は少なくなるのです。

大学・大学院卒の定年退職の平均額は、勤続20〜24年の1021万円から勤続35年以上の2037万円まで開きがある1/2

厚生労働省の就労条件総合調査(2023年)による、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者1人平均の退職給付額を勤続年数別に比べた棒グラフ。勤続20〜24年は1021万円、25〜29年は1559万円、30〜34年は1891万円、35年以上は2037万円。全体の平均は1896万円

出所:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 勤続20〜24年:1021万円
  • 勤続25〜29年:1559万円
  • 勤続30〜34年:1891万円
  • 勤続35年以上:2037万円

1.3 平均額には年金で受け取る分も含まれる

調査の退職給付額は、一時金だけでなく、企業年金の分を退職時点の価値に直した額も足し合わせたものです。大学・大学院卒の定年退職で、退職一時金の制度だけがある会社に限ると、平均は1623万円でした。

平均額はあくまで目安で、自分の退職金は勤め先の退職金規程で決まります。そのうえで、受け取るときにどれくらい税金がかかるのかを、次の章から見ていきます。

2. 退職金の税金を軽くする「退職所得控除」
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著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員

ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。

京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。