子どもの家のリフォーム代を親が出してくれるとき、親から受け取ったお金には贈与税がかかることがあります。リフォーム代の贈与税は、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の要件を満たすかどうかで、大きく変わります。
富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、親からのリフォーム資金の受け取りは、「いくら受け取るか」だけでなく「どの制度で受け取るか」を工事の契約より前に確かめておきたいテーマです。ここでは、国税庁のタックスアンサーの文言で非課税の要件を確かめ、使える場合と使えない場合の贈与税を比べます。
試算は、親からリフォーム代のお金を受け取り、子が業者に払う場合を前提にします。住宅取得等資金の非課税の申告をした人の1人あたりの平均額をもとに、暦年課税・非課税の特例・相続時精算課税の3つの計算を並べます。
※約759万円は、国税庁「令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」の住宅取得等資金の非課税の申告状況(住宅取得等資金の金額4024億円、申告人員5.3万人)から計算した1人あたりの平均です(新築・取得を含む)。
1. リフォーム代を親が業者に払うと贈与税はかかる?国税庁は「債務の免除などにより利益を受けた場合」も贈与とみなす
国税庁 No.4402「贈与税がかかる場合」によると、贈与税は個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。あわせて、「債務の免除などにより利益を受けた場合など」は、贈与を受けたものとみなされて贈与税がかかるとされています。
現金を受け取っていなくても、本来は自分が払うリフォーム代を親が払えば、その分の利益を受けたことになりえます。どの払い方が贈与にあたるかは、契約の名義や費用の負担関係によって変わるため、払う前に所轄の税務署や税理士に確かめておきたい点です。
- 【暦年課税の基礎控除】1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産の合計から110万円を差し引く(No.4402)
- 【110万円以下のとき】贈与税はかからず、申告も不要(No.4402)
- 【贈与税の申告人員】令和7年分は47万人、うち納税人員は32万人(国税庁の確定申告状況)
110万円の基礎控除は、贈与を受けた人ごとに、1年間に受け取った財産の合計に対して差し引くものです(No.4402)。父と母の両方からリフォーム代を受け取った年は、2人から受け取った合計額から110万円を差し引くことになります。110万円を大きく超える額をまとめて受け取るときほど、次に見る非課税の特例を使えるかどうかで、贈与税の額が大きく変わります。