3. 国家公務員の年収、職種による差はいくらか
試算した年収の目安を比べると、職種による差はかなり大きくなります。最も高い俸給表と低い俸給表、職員の多い俸給表どうしの順に見ていきます。
3.1 医療職(一)と行政職(二)で774万円の差
最も高いのは、医師・歯科医師が対象の医療職(一)で、年収の目安は1346万4514円でした。最も低い行政職(二)の572万1627円とは、774万2887円の差があります。
医療職(一)は、平均給与月額のうち「その他の手当」が18万7098円と、ほかの俸給表よりも大きいのが特徴です。俸給そのものも、平均で53万9841円と高くなっています。
3.2 職員の多い俸給表どうしでも差がある
職員の多い俸給表どうしで比べると、税務職の743万7180円は、行政職(一)の694万6031円を49万1149円上回りました。
公安職では、海上保安庁などの公安職(二)が714万8784円、警察官などの公安職(一)が678万970円です。両者の差は36万7814円でした。
看護師などの医療職(三)は639万7774円で、行政職(一)より54万8257円低い水準です。同じ病院で働く職員でも、医師と看護師では俸給表が分かれています。
4. 職種で国家公務員の年収が違う理由
職種による年収の差には、いくつかの理由が重なっています。ここでは、平均年齢と俸給表の水準、地域手当の3つを見ていきます。
- 医療職(一):590人・54.3歳・27.3年
- 研究職:1137人・46.0歳・21.9年
- 専門行政職:7697人・42.6歳・20.2年
- 税務職:4万8398人・41.2歳・19.6年
- 公安職(二):2万2812人・39.8歳・18.3年
- 行政職(一):13万9564人・41.7歳・19.4年
- 公安職(一):2万2043人・41.8歳・20.5年
- 医療職(三):1757人・48.4歳・22.7年
- 医療職(二):508人・47.0歳・21.3年
- 行政職(二):1590人・51.3歳・29.2年
4.1 平均年齢と経験年数の違い
医療職(一)は平均年齢が54.3歳と、主な俸給表の中で最も高くなっています。平均経験年数も27.3年で、行政職(二)の29.2年に次いで長い層です。
ただし、年齢だけで年収が決まるわけではありません。経験年数が最も長い行政職(二)は平均51.3歳ですが、年収の目安は10の俸給表の中で最も低くなりました。
4.2 俸給表ごとに給与の水準が違う
俸給表は職種ごとに別々に定められていて、同じような年齢や経験年数でも俸給の額は同じではありません。たとえば税務職は平均41.2歳で、行政職(一)の41.7歳より若い層です。
それでも、税務職の平均の俸給は37万5754円で、行政職(一)の34万2178円を上回っています。この俸給の差が、ボーナスを含めた年収の差にもつながっています。
4.3 地域手当は勤務地で変わる
地域手当は、民間の賃金が高い地域に勤める職員に支給される手当です。東京都特別区に勤める職員には、俸給と扶養手当などを合わせた月額の20%が、地域手当として支給されます。
地域手当等の平均は、専門行政職が5万7084円、行政職(二)が2万8457円でした。この記事の試算では、ボーナスも地域手当等を含めて計算しているため、勤務地の違いは年収の差をさらに広げます。
国家公務員の年収の目安は、職員の多い行政職(一)で694万6031円、税務職で743万7180円でした。俸給表ごとの平均は人事院の「国家公務員給与等実態調査」で公表されているので、気になる職種の数字を確かめてみてください。
次のページでは、12月のボーナスの見通しと、自分の年収を確かめるときのポイントを見ていきます。