4. 手帳の有効期間は2年。東京都では更新を期限の3か月前から出せるが、カード形式の審査に約2か月半かかる
厚生労働省の実施要領では、手帳の有効期限は、交付日から2年が経過する日の属する月の末日です。
この交付日は、市町村長が申請書を受理した日とされています。新宿区の案内も、有効期間の開始日は、申請書を窓口で受理した日としています。
東京都の案内では、更新の申請は有効期限の3か月前から行えます。
審査には、紙形式で2か月程度、カード形式で2か月半程度かかります。東京都の案内は、手続き中に有効期間が切れないよう、早めに出すよう求めています。
編集部の試算では、有効期限が12月31日で、カード形式の審査に2か月半かかるとすると、10月中旬までに申請しないと、期限をまたぐ可能性があります。
期限の1か月前に出すのでは、間に合わない見込みです。
5. 手帳があると変わること:所得税の障害者控除は27万円、1級は特別障害者で40万円。JR東日本などでは運賃割引もある
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)では、手帳の交付を受けている人は、所得税の障害者控除の対象です。控除は、税額を計算する前に、所得から決まった額を差し引く仕組みです。
控除額は障害者が27万円、特別障害者が40万円で、手帳の障害等級が1級の人は特別障害者になります。
納税者自身だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族が対象のときも、控除を受けられます。
控除が税額をどれだけ減らすかは、課税される所得金額の税率で変わります。編集部の試算(復興特別所得税は含めない)は、次のとおりです。
- 障害者控除27万円:税率5%なら1万3500円、10%なら2万7000円、20%なら5万4000円
- 特別障害者控除40万円:税率5%なら2万円、10%なら4万円、20%なら8万円
この軽減額は、所得税だけの試算です。
今年分の控除にいつの交付が間に合うかや、住民税の取り扱いは、この記事では確認できていません。勤務先や税務署、住んでいる市区町村に確認してください。
新宿区の案内には、令和7年4月1日から、東日本旅客鉄道などで、精神障害者を対象にした旅客運賃の割引制度が始まった、とあります。
割引を受けるための手続きは、お住まいの自治体と鉄道会社の案内で確認が必要です。
ここからは、編集部の見立てと、申請の前に確かめたい3つ、まとめを見ていきます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。