2. 私立大学の入学定員充足率は系統別でどう違う?
入学定員充足率とは、入学定員に対する実際の入学者数の割合(入学者数÷入学定員)を示す指標です。日本私立学校振興・共済事業団の同調査(基準日は各年度5月1日)によると、令和8年度の私立大学全体(集計対象595校)の充足率は102.74%で、前年度の101.61%から1.13ポイント上昇しました。
一方、同調査では充足率が100%を下回る学校が275校あり、割合は46.2%にあたります。前年度は316校(53.2%)で、定員割れの学校は減ったものの、全体の平均が100%を超えていても、46.2%の学校は定員に届いていません。
2.1 100%を超えた系統、下回った系統は?
系統別に見ると、令和8年度に充足率が100%を超えたのは、7系統と「その他」となっています。
- 社会科学系:105.78%
- 芸術系:105.33%
- 人文科学系:104.62%
- 農学系:103.58%
- 体育学:102.89%
- その他:102.59%
- 理・工学系:101.57%
- 医学:100.50%
100%を下回ったのは、次の5系統です。
- 教育学:99.24%
- 保健系:96.14%
- 薬学:92.30%
- 家政学:92.06%
- 歯学:91.95%
なお、充足率が100%を下回ることが、そのまま入試の難しさや入りやすさを示すとは限りません。個別の大学・学部の状況は、各大学が公表する入試結果で確かめてください。
2.2 前年度から上昇した系統は?
前年度(令和7年度)からの上昇幅が大きかったのは、家政学の6.49ポイント(85.57%から92.06%)、歯学の5.29ポイント(86.66%から91.95%)、教育学の4.09ポイント(95.15%から99.24%)です。このほか、人文科学系は2.84ポイント、体育学は1.97ポイント、保健系は1.76ポイント、その他は1.44ポイント、薬学は0.78ポイント、社会科学系は0.22ポイント、それぞれ上昇しました。
反対に、医学(1.22ポイント低下)、芸術系(0.81ポイント低下)、理・工学系(0.74ポイント低下)、農学系(0.37ポイント低下)の4系統は、前年度を下回っています。
3. 学費と充足率を同じ年度で並べると?
学費調査と同じ令和7年度で、充足率と初年度納付金(総計)を並べました。系統名の範囲が一対一で対応しにくい文・教育、法・商・経、農・獣医などは、誤解を避けるため除外しています。ほかの系統も範囲が完全に一致するとは限らず、あくまで近い区分を並べた目安です。
- 家政(家政学):充足率85.57%、総計143万3065円
- 体育(体育学):充足率100.92%、総計146万305円
- 理・工(理・工学系):充足率102.31%、総計166万1668円
- 保健(保健系):充足率94.38%、総計170万1468円
- 芸術(芸術系):充足率106.14%、総計183万6143円
- 薬(薬学):充足率91.52%、総計218万1184円
- 歯(歯学):充足率86.66%、総計512万6150円
- 医(医学):充足率101.72%、総計684万1248円
- 全平均:充足率101.61%、総計150万7647円
令和7年度に充足率が90%を下回ったのは家政学(85.57%)と歯学(86.66%)の2系統で、初年度納付金はそれぞれ143万3065円、512万6150円でした。一方、初年度納付金が最も高い医は、令和7年度の充足率が101.72%と100%を超えています。学費の高低と充足率の高低は、直接の因果関係を示すものではありません。