特殊詐欺というと、ニセ警察やSNS型投資を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
ただ、2026年10月2日に警察庁が公表した8月末の暫定値では、認知件数の伸び率が大きかったのは「その他の特殊詐欺」の322.7%増と金融商品詐欺の164.8%増でした。
特殊詐欺全体の認知件数と被害額に加え、伸び率が大きい手口の中身や、1件あたりの被害額の違いまで、公表データから順に確認します。
1. 特殊詐欺は8月末で29687件、被害額は2360.7億円。前年同期から増えた?
警察庁「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年10月2日公表)によると、特殊詐欺全体の認知件数は29687件(前年同期差+3732件、+14.4%)、被害額は2360.7億円(前年同期差+588.4億円、+33.2%)でした。数値はいずれも暫定値です。
認知件数・被害額ともに上位を占めたのは、次の3つの手口です。
- SNS型投資詐欺:認知件数7097件(前年同期比+49.4%)、被害額937.4億円
- ニセ警察詐欺:認知件数6346件(前年同期比−4.1%)、被害額728.6億円
- SNS型ロマンス詐欺:認知件数3506件(前年同期比+0.4%)、被害額325.8億円
ニセ警察詐欺は、認知件数が前年同期を下回っています。件数の多さと伸び率の大きさは、必ずしも一致しません。
2. 上位3手口は、前年同期と比べてどう動いた?
上位3手口の前年同期との差を、認知件数と被害額に分けて見ると、動き方は一様ではありません。
- SNS型投資詐欺:認知件数は+2347件(+49.4%)、被害額は+328.0億円(+53.8%)
- ニセ警察詐欺:認知件数は−274件(−4.1%)、被害額は+155.1億円(+27.0%)
- SNS型ロマンス詐欺:認知件数は+13件(+0.4%)、被害額は+2.5億円(+0.8%)
ニセ警察詐欺は、認知件数が減った一方で、被害額は155.1億円増えています。件数が減っても、被害額が減ったとは限りません。
SNS型投資詐欺は、認知件数と被害額がともに5割前後増えました。認知件数の増加分+2347件は、特殊詐欺全体の増加分(+3732件)の約62.9%にあたります。
上位3手口の認知件数の増加分を合わせると+2086件で、全体の増加分の約55.9%です。一方、SNS型ロマンス詐欺は前年同期とほぼ横ばいでした。
では、件数の「増加の勢い」に着目すると、どの手口が目立つのでしょうか。次のページで見ていきます。