ご家庭によっては孫の大学入学で援助を頼まれるケースもあるでしょう。一方で老後の貯蓄からいくらまで出せるのかは迷うところです。孫の大学入学の援助は一度きりでも、老後の貯蓄は年金などの収入で足りない分を埋めながら、毎月少しずつ減っていきますし、大切な老後資金です。
もし援助を考える際には一つの方法として、「いくらなら出せるか」だけでなく、「老後の家計の不足の何年分か」に置き換えると判断しやすくなります。ここでは平均をもとに、大学の入学時にかかる費用を国立・私立に分けて、その額が老後の家計の不足の何年分にあたるかを試算します。
あわせて、介護の費用を見込んだうえで、援助のあと老後の貯蓄が何歳まで持つかを試算します。
※老後の家計の不足は、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の値です。貯蓄は、同「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要」の世帯主が65歳以上の世帯(二人以上の世帯)の貯蓄保有世帯の中央値をもとにしています。
1. 大学費用の目安はいくら?私立大学と国立大学にわけてみる
文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学(学部・昼間部)の初年度にかかる入学料・授業料・施設設備費の平均の合計は138万984円です(文部科学省の公表値。端数処理のため、下の内訳を足した額とは1円違います)。
- 【私立大学の入学料】平均約24.0万円(24万365円)
- 【私立大学の授業料(1年分)】平均約96.8万円(96万8069円)
- 【私立大学の施設設備費(1年分)】平均約17.3万円(17万2550円)
- 【私立大学の初年度納付金の合計】平均約138.1万円(138万983円)
国立大学は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」で標準額が決まっており、学部の入学料は28万2000円、授業料は年53万5800円です。合わせると約81.8万円になります。
ただし、国立大学は標準額をもとに各大学が授業料などを決めるため、大学によって額が違うことがあります。私立大学も学部による差が大きく、初年度納付金の平均は文科系学部で約121.2万円、理科系学部で約160.2万円です。実験実習料などを含めた初年度の総計は、全体の平均で150万7647円です。