株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反発、最後は23,300円を挟む膠着状態
2019年11月15日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 23,303円(+161円、+0.7%) 3日ぶり反発
- TOPIX 1,696.6(+12.2、+0.7%) 3日ぶり反発
- 東証マザーズ株価指数 853.6(+2.0、+0.2%) 4日ぶり反発
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,711、値下がり銘柄数:370、変わらず:73
- 値上がり業種数:31、値下がり業種数:2
- 年初来高値更新銘柄数:86、年初来安値更新銘柄数:11
東証1部の出来高は13億6,514万株、売買代金は2兆2,269億円(概算)となり、いずれも概ね前日並みでした。米中貿易摩擦問題の解決に楽観的な見通しが広がったことでリスクオンモードが高まりましたが、それも一瞬のうちに沈静化し、最後は模様眺めムードが強まりました。ただ、好業績銘柄を中心に下値を拾う動きも多く見られ、売買代金は3日連続で2兆2,000億円レベルを維持しています。
そのような中、日経平均株価は反発後に膠着状態となりました。寄り付き直後は軟調な値動きで一時▲20円安となりましたが、その後間もなく、米中貿易摩擦問題の解決に対する期待感が広がって急騰しました。後場寄りには一時+199円高まで上昇する場面も見られましたが、結局は大引けまで23,300円台を挟む動きに終始したようです。それでも3日ぶりの反発で引けました。
なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反発となりましたが、終値で1,700ポイントの回復はなりませんでした。
東証マザーズ株価指数は4日ぶり反発、売買代金は68日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は4,647万株、売買代金637億円となり、いずれも前日より減少しました。個人投資家の物色意欲が減退しており、売買代金は68日連続の1,000億円割れとなっています。売買代金1,000億円は決して高いハードルではないのですが、個人投資家の投資マインド低下を如実に表していると言えましょう。
なお、株価指数は小幅に上昇して4日ぶりの反発となりましたが、依然として900ポイント回復が遠のいた状況が続いています。
ヤフーとLINEの経営統合祭りは早くも終了、東映がワンピース効果で約30年ぶり高値
個別銘柄では、ヤフーとの経営統合に関する観測報道(注:正式発表ではない)で前日にストップ高となったLINE(3938)が、寄り付き後に年初来高値を更新した後はあっという間に値を下げ、結局は▲5%安に迫る大幅反落となりました。
また、そのヤフーを傘下に持つZホールディングス(4689)も▲7%超安の急落となり、両銘柄とも“一夜の宴”に終わった感があります。なお、ZホールディングスによるTOBが終了したZOZO(3092)は、この日も▲5%超下落して連日の急落となっています。
決算発表もピークを過ぎたことで目立った動きが少なくなる中、自社配給のアニメ劇場映画「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE」が絶好調の東映(9605)が一時+6%高の急騰となり、年初来高値を更新したのが目を引きました。
なお、これは1990年3月以来となる約29年8カ月ぶりの高値更新となります(株式併合考慮後)。さらに、東宝(9602)や松竹(9601)も買われるなど、映画株の上昇が注目を集めたようです。
その他では、前日に事実上の24時間営業継続断念を表明したファミリーマート(8028)が売り買い交錯の末、最後は大きく値を上げたことが目立ちました。
新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)が久々に大幅高となり、アンジェス(4563)やサンバイオ(4592)も大きく値を上げました。一方、MTG(7806)が急落して一時ストップ安まで売られ、株価はついに年初の高値から6分の1以下に下落しています。
葛西 裕一