年末調整の申告書を渡されると、どの用紙に何を書けばよいのか、毎年迷ってしまうものです。
国税庁が従業員向けに出している「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」には、年末調整は、源泉徴収された税金の1年分の合計と、その年に納める税金を一致させる精算の手続きと説明されています。
本記事では、国税庁の資料をもとに、年末調整でどんな書類が届き、何を書いて出すのかを確かめます。
記事の後半では、勤務先に出す申告書の一覧や、手元に届く書類、精算までの流れも紹介します。
1. 【令和8年分の年末調整】改正で「異動申告書」を出す人も
国税庁の従業員向けの案内には、本年は給与所得控除の最低保障額の引上げと、控除対象扶養親族の所得要件の改正が行われていると書かれています。改正によって新たに扶養親族を有することとなった場合なども、「異動申告書」を出すことになると案内されています。
1.1 【異動申告書】家族の状況が変わったときに出す書類
年の途中で家族が就職したり結婚したりして、申告書に書いた内容が変わったときも、そのたびに「異動申告書」を出すことになっています。
去年は扶養に入っていなかった家族でも、今年は申告が要る場合があると考えられます。家族の今年の収入の見込みを、年末調整の前に話しておくとよいでしょう。
1.2 【扶養控除等申告書】扶養する家族がいない人も出す
従業員向けの案内では、扶養控除等申告書は、扶養する家族などがいない人も出すことになっています。出していない人の給与には、源泉徴収の税額表の「乙」欄が使われ、出した場合より高い税率になるとされています。
年末調整は、毎月の給与から差し引かれてきた税金を、1年分まとめて見直す手続きです。今年は改正があったため、去年と同じ書き方でよいとはかぎらない点に注意が必要です。配られた用紙が「令和8年分」になっているかを確かめておきましょう。
控除に当てはまるかどうかの判断に悩む場合には、自分だけで決めずに、勤務先や税務署に相談することが大切です。
2. 何を提出?年末調整で勤務先に出す申告書
年末調整で基礎控除や配偶者控除などの所得控除を受けるには、扶養控除等申告書のほかに、それぞれの申告書を勤務先に出す必要があると、国税庁は案内しています。
2.1 【年末調整で出す申告書】出す書類と、出す人
国税庁の説明をもとに、令和8年分の申告書の名前と出す人を並べると次のとおりです。
- 扶養控除等(異動)申告書:従業員(扶養親族などがいない人も出す)
- 基礎控除申告書:基礎控除を受ける人
- 配偶者控除等申告書:配偶者控除か配偶者特別控除を受ける人
- 特定親族特別控除申告書:特定親族特別控除を受ける人
- 所得金額調整控除申告書:所得金額調整控除を受ける人
- 保険料控除申告書:生命保険料・地震保険料や、給与から差し引かれていない社会保険料などを自分で払った人
- 住宅借入金等特別控除申告書:2年目以降で、住宅借入金等特別控除を年末調整で受けられる人
国税庁は、基礎控除申告書を出し忘れると年末調整で基礎控除を受けられなくなるとして、注意を促しています。申告書の名前は似ているため、用紙の上の名前を一つずつ確かめながら進めるとよいでしょう。