6. 【証券会社出身の視点】検証:2000万円が何年分になるかは毎月の不足で決まり、家賃の月1万4139円の差が約3.2年分の差になる
ここまで、単身世帯の持家率が35〜59歳の50.7%から65歳以上で85.0%に上がること、65歳以上の単身無職世帯の家計の平均、そして2000万円が持ち家と賃貸でそれぞれ何年分にあたるかを見てきました。
試算の不足は、65歳以上の単身無職世帯の平均をもとにしています。働く収入がある人や、平均より受け取る額が多い人・少ない人では、毎月の不足そのものが変わります。家賃も全国平均なので、住んでいる地域の相場に置き換えてみると、ご自身に近い年数が出てきます。
資産の大きさより先に、毎月どれだけ引き出すかを見ておくと、整理しやすくなります。同じ2000万円でも、毎月の取り崩しが月約2.5万円なら約67.5年分、月約9.3万円なら約17.9年分です。家賃の差は月1万4139円でも、20年近く続くと約3.2年分の違いになります。
見ていただきたい点は3つあります。1つ目は、65歳以降に住まいにかかる毎月の額(家賃、または修繕や固定資産税などの持ち家の費用)。2つ目は、ねんきん定期便などで分かる65歳からの年金の見込み額。3つ目は、50代のいまから65歳までに、2000万円を増やせるのか、取り崩すことになるのかです。
毎月の不足が分かると、2000万円のうち住まいにあてる分と、生活費の補いに残す分の配分も考えやすくなります。持ち家か賃貸かを決める前に、ご自身の65歳からの毎月の不足を1つの数字にしておくと、比べるときの物差しとして使えます。
7. まとめ
家計調査では、単身世帯の持家率は35〜59歳で50.7%、65歳以上で85.0%です。65歳以上の単身無職世帯の不足は月2万9980円で、家賃地代を除くと月2万4676円です。住居費の平均が低いのは、持ち家の世帯が多く、家賃を払っていない世帯も含めた平均だからです。
この不足をもとにすると、2000万円は家賃のない持ち家で約67.5年分、民営借家の平均の家賃を払う賃貸で約17.9〜21.1年分です。持ち家には修繕などの費用が、賃貸には毎月の家賃がかかり、どちらも2000万円の減り方を左右します。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の家計は、年金の受給額、働く収入、住んでいる地域の家賃、住まいの修繕や住み替えの費用、物価の変動などによって異なります。年金の見込み額は、ねんきん定期便やねんきんネットでご確認ください。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 単身世帯 第2表 男女,年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」(e-Stat)
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 単身世帯 第6表 職業別1世帯当たり1か月間の収入と支出」(e-Stat)
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2025年 単身世帯 第8表 住居の所有関係別1世帯当たり1か月間の支出」(e-Stat)
- 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」
- 総務省統計局「統計Today No.128「実感」する消費者物価とは」
安達 さやか