50代独身で2000万円を用意できていても、65歳からの暮らしでその2000万円が何年分になるかは、住まいが持ち家か賃貸かで変わります。家賃を払い続けるかどうかで、毎月取り崩す額が違ってくるためです。

富裕層や法人のお客さまの資産運用のご相談を受けていた経験からお伝えすると、50代独身の老後資金は、総額よりも「65歳から毎月いくら減っていくか」で、早めに確かめておきたいテーマです。ここでは、総務省「家計調査」の単身世帯の数字から、持ち家と賃貸の違いを確かめます。

そのうえで、65歳以上の単身世帯の家計の平均から毎月の不足を求め、2000万円がその何年分にあたるかを、持ち家の場合と賃貸の場合で試算します。

※単身世帯の家計は、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」と、家計調査(2025年)単身世帯の詳細結果表の数字です。賃貸の家賃は、総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」の民営借家(専用住宅)の1か月当たり家賃をもとにしています。

1. 50代独身の住まいは持ち家か賃貸か?単身世帯の35〜59歳は持家率50.7%でほぼ半々、65歳以上では85.0%

家計調査の2025年平均で、単身世帯の住まいと住居費を年齢階級別にみると、次のとおりです。50代は「35〜59歳」の区分に入ります。

  • 【35〜59歳(平均50.9歳)】持家率50.7%、家賃・地代を支払っている世帯42.9%、住居 月2万8041円(うち家賃地代2万5072円)、消費支出 月19万8488円
  • 【65歳以上(平均76.7歳)】持家率85.0%、家賃・地代を支払っている世帯12.8%、住居 月1万2347円(うち家賃地代6056円)、消費支出 月15万5782円

35〜59歳の単身世帯は、持ち家と賃貸がほぼ半々です。65歳以上になると持家率は85.0%まで上がり、平均の住居費は35〜59歳より月1万5694円少なくなります。

住居の所有関係別にみると、持ち家の単身世帯(平均69.1歳)の住居は月6846円で、そのほとんどは設備修繕・維持の6527円です。民営借家の単身世帯(平均45.3歳)の住居は月5万467円で、うち家賃地代が4万9831円です。

2. 単身世帯の65歳以上・無職の家計は?毎月の不足は2万9980円、住居1万1416円のうち家賃地代は5304円

家計調査報告では、65歳以上の単身無職世帯(平均77.8歳)の家計を次のように示しています。

  • 【実収入】月13万1456円(うち社会保障給付12万212円)
  • 【非消費支出(税金・社会保険料)】月1万2990円
  • 【可処分所得】月11万8465円
  • 【消費支出】月14万8445円(うち住居1万1416円)
  • 【不足】月2万9980円

この世帯の持家率は87.0%で、家賃・地代を支払っている世帯は11.3%です。住居1万1416円の内訳は、家賃地代5304円と設備修繕・維持6112円で、家賃を払っていない世帯も含めた平均です。

家計調査は実際に支払った額を調べる統計で、持ち家を借家とみなした場合の家賃(持家の帰属家賃)は消費支出に入っていません。住宅ローンの返済も、消費支出ではなく「土地家屋借金返済」として別に集計されます。