3. ごみの収集は法律で市町村の仕事。ごみ置き場から集める自治体は56%

e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第6条の2では、市町村は、一般廃棄物処理計画に従って、区域内の一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、運搬し、処分しなければならないと定めています。

同じ条の第6項では、土地や建物の占有者は、自ら処分しない一般廃棄物を一般廃棄物処理計画に従って適正に分別し、保管するなど、市町村の収集に協力しなければならないとしています。

総務省の報告書は、この収集の義務と協力の義務を踏まえ、自治会等がごみ置き場の設置・管理を行うことを前提として、ごみの収集を行っている市区町村が多いとしています。報告書が紹介する国立環境研究所の調査(2020年4月)では、回答した939自治体の収集のしかたは次のとおりです。

  • ごみ置き場からの収集のみ:56%
  • 一部の地域・世帯で戸別収集をしつつ、ごみ置き場から収集:35%
  • 戸別収集:8%

4. 自治会等の加入率は10年で78.0%から71.7%に。600団体のうち530団体で下がった

総務省「地域コミュニティに関する研究会 報告書」によると、毎年度の自治会等の加入率を世帯単位で把握している600市区町村の平均(単純平均)は、10年で6.3ポイント下がりました。

例)600市区町村の単純平均の場合 自治会等の加入率の推移(平成22年〜令和2年)2/2

例)600市区町村の単純平均の場合 自治会等の加入率の推移(平成22年〜令和2年)

出所:総務省「地域コミュニティに関する研究会 報告書」をもとにLIMO編集部作成

  • 平成22年:78.0%
  • 平成27年:75.3%
  • 令和2年:71.7%
  • 加入率が下がった団体:600団体のうち530団体(88.3%)

ごみ置き場の設置・管理を自治会等が担う前提のままでは、町内会に入っていない世帯のごみ出しをどう扱うかが、地域ごとの課題になりやすい状況です。

5. 町内会は退会できる?最高裁判所は平成17年4月26日、規約に退会の制限がない自治会は「いつでも」退会できると判断

町内会(自治会)の退会について、最高裁判所第三小法廷は平成17年4月26日の判決(平成16年(受)第1742号 自治会費等請求事件)で判断しています。裁判所「裁判例結果詳細」に掲載されている判示事項と裁判要旨の要点は、次のとおりです。

  • 対象となった団体:県営住宅の入居者でつくる、権利能力のない社団である自治会
  • 判断の前提:会員相互の親ぼくや快適な環境の維持管理などを目的とし、いわゆる強制加入団体でもなく、規約に会員の退会を制限する規定がないこと
  • 判断:この事情の下では、会員はいつでも自治会に対する一方的な意思表示で退会できる

この判決は、強制加入団体ではなく、規約に退会の制限がない自治会についての判断です。住んでいる地域の町内会の規約がどうなっているか、退会したあとに何が変わるかは、その町内会の規約や役員の方に確かめることができます。

町内会を退会しても、ごみ置き場を使い続けるなら、清掃当番や器材の費用など管理の分担は残るという整理のしかたもあります。

6. ごみ置き場を使わないでと言われたら、管理している町内会と市区町村のごみの担当課に確かめる

ごみ置き場の利用について話がまとまらないときに、確かめる先は次のとおりです。

  • 管理している町内会:清掃当番や器材の費用など、そのごみ置き場で決められている管理のしかたと、分担のしかた
  • 市区町村のごみの担当課:その自治体でのごみ置き場の設置・管理の決まりと、未加入の世帯の利用についての考え方

ごみ置き場を新しく設けたり、使わずに出したりする方法を案内している市もあります。

  • 横須賀市:新しいごみ置き場は原則として町内会や自治会の代表者などが申請し、地域の事情など特別な場合は、収集作業に支障がない範囲で相談に応じる
  • 栃木市:新しいごみ置き場の条件を満たせない場合に、清掃施設へ直接持ち込む方法や、市が許可した一般廃棄物収集運搬の業者と個別に契約する方法を挙げている

ごみ置き場の新設の条件や持ち込みの手数料は、自治体ごとに決められています。住んでいる市区町村のごみの担当課で確かめることができます。

7. 町内会費とごみ置き場の実費は分けて考える。札幌市の基準なら器材費1万円で1世帯約333〜500円

札幌市・横須賀市・栃木市の3市とも、町内会に入っていないことだけを理由に、ごみ置き場の利用や市の収集から外れるという案内にはなっていません。札幌市は、町内会費そのものの支払い義務はないとしつつ、ごみ置き場の器材などの実費は利用者として応分に負担するよう案内しており、器材費1万円を20〜30世帯で分けると1世帯約333〜500円です。

町内会費を払うかどうかを考えるときは、そのお金のうちごみ置き場の管理にあたる部分がどれくらいかを、町内会の役員の方に確かめてみてください。そのうえで、住んでいる市区町村のごみの担当課の案内もあわせて確かめておきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。判決は個別の事案についての判断で、町内会の規約や地域の事情によって扱いは異なります。ごみ置き場の利用や費用の分担は、管理している町内会と、住んでいる市区町村のごみの担当課でご確認ください。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

中本 智恵