総務省「地域コミュニティに関する研究会 報告書」(令和4年4月)によると、自治会等の加入率は600市区町村の平均で、平成22年の78.0%から令和2年は71.7%に下がりました。単純平均で見ると、自治会等に入っていない世帯が約3割あることになります。
町内会に入っていない世帯や、町内会費を払うのをやめた世帯は、地域のごみ置き場を使えなくなるのか。ごみの収集は法律で市町村の仕事とされている一方、ごみ置き場の管理は町内会などが担っている地域が多く、ここで扱いが分かれます。
この記事では、札幌市・横須賀市・栃木市の公式ページの案内と、ごみ置き場の器材の費用を利用世帯で分けた場合の1世帯あたりの額を確認します。ごみの収集についての法律の定めと、自治会等の加入率の推移も見ていきます。
1. 町内会に入っていなくても、ごみ置き場は使えるとした札幌市・横須賀市・栃木市の3市
町内会に入っていない世帯のごみ置き場の利用について、3つの市の公式ページの案内(2026年10月29日に確認)を並べると次のとおりです。
- 札幌市(FAQ):町内会への加入・未加入を問わず、ルールを守れば利用できる。利用者として一定の管理責任や費用負担を負うことについて、町内会と話し合うよう求めている
- 横須賀市(2025年8月12日受付の市民の声への回答):家庭のごみの収集は行政サービスで、町内会・自治会等への加入の有無にかかわらず、設置されたごみ置き場を利用する。町内会等が購入した備品を使う場合は、所有者の承諾が必要となることも考えられる
- 栃木市(令和4年6月の市政へのご意見への回答):ごみ置き場の管理は設置者と利用者が行うと定めており、自治会に加入していなくても、利用者の同意があれば利用は問題ないと考えている
3つの市とも、町内会に入っていないことだけを理由に、市の収集から外れるという案内にはなっていません。一方で、ごみ置き場の管理を誰がどう分担するかは、利用している世帯や管理している町内会との話し合いに委ねている点も共通しています。
ごみ置き場は、自治体によって「ごみステーション」「ごみ集積所」とも呼ばれます。
2. ごみ置き場の器材の実費は1万円を20世帯で分けると「1世帯500円」。札幌市は町内会費の支払い義務はないと案内
町内会費とごみ置き場の管理費の違いを、はっきり分けて案内しているのが札幌市です。札幌市「ごみステーションの設置、利用及び維持管理等に関するよくある質問(FAQ)」では、次のように説明しています。
- 町内会費:町内会費そのものを支払う義務はない
- ごみ置き場の実費:管理器材の購入費や清掃用具の補充など、ごみ置き場の維持に直結する「実費相当分(管理協力金等)」は、利用者として応分の費用負担が必要
- 清掃・除雪:町内会への加入にかかわらず、利用者として当番などの維持管理を分担する
- 金額:各町内会やごみ置き場の状況で異なるため、各町内会で決める
札幌市「ごみステーションの設置及び清潔保持等に関する要綱」のページ(2026年10月19日更新)によると、ごみ置き場1か所あたりの利用世帯数の基準は20〜30世帯で、地域の実情に応じて10〜15世帯に1か所も認められています。この基準で、管理器材の購入費1万円を利用世帯で分けた場合を試算しました。
- 10世帯で利用:1世帯1000円
- 15世帯で利用:1世帯約667円
- 20世帯で利用:1世帯500円
- 30世帯で利用:1世帯約333円
清掃当番を1世帯ずつ1週間交代で回す場合、20〜30世帯なら20〜30週に1回、約4.6〜6.9か月に1回の間隔になります。
※試算の前提:管理器材の購入費を1万円あたりとし、利用世帯で均等に割ったものとしてLIMO編集部が計算。清掃当番は、仮に1世帯ずつ1週間交代で回す場合です。実際の金額や当番の回し方は、ごみ置き場ごとに決められています。
町内会費は、町内会の活動全体に対して会員が払う会費です。ごみ置き場の管理費は、そのごみ置き場を使う世帯で分ける実費で、札幌市の案内はこの2つを分けて考える形になっています。