7. 【FPの視点】級地が上がると単価も上がり、自己負担や保険料にも関わる

地域区分は、介護の仕事をする人の賃金の地域差を介護報酬に反映する仕組みです。級地が上がれば1単位の単価が上がり、同じサービスでも自己負担が増えます。

たとえば、上乗せのない「その他」の地域が7級地(3%)になると、訪問介護などの1単位は10円から10.21円になります。1万単位・1割負担なら、自己負担は月1万円から1万210円に、月210円増える計算です。

7.1 分科会では「保険料の上昇につながる」との意見も

分科会では、級地が上がると人材確保の面では歓迎される一方、保険料の上昇につながることが想定されるとの意見が出ています。上乗せ割合が下がる地域については、介護の仕事をする人の賃金や事業所の運営への影響を心配する意見もありました。

関係団体からは、上乗せ割合の急な引き下げで経営やサービスの提供に影響が出ないよう、経過措置や激変緩和の措置を求める要望が出ています。

8. 【落とし穴】試算は1割負担の場合。2割・3割の人は地域の差も2倍・3倍になる

介護サービスの自己負担は原則1割ですが、所得が一定以上の人は2割または3割です。2025年3月時点で、利用者の92.0%が1割、約4.3%が2割、約3.9%が3割負担でした。

同じ1万単位の訪問介護などで計算すると、2割負担なら1級地で月2万2800円、その他の地域で月2万円となり、差は月2800円です。3割負担なら月3万4200円と月3万円で、差は月4200円になります。通所介護や施設などでは、2割負担で月1800円、3割負担で月2700円の差です。

9. まとめにかえて

介護報酬の1単位の単価は10円から11.40円で、1万単位・1割負担なら訪問介護などで最大月1400円の差になります。2027年度からの見直し案では、市町村が望めば今の上乗せ割合を2029年度末まで残せます。

介護サービスを利用しているご家族がいる方は、毎月の利用単位数と負担割合をあわせて確かめておきましょう。

※試算は、記事内に記載した条件をもとにした概算です。実際の負担額は、サービスの種類、加算、負担割合によって異なります。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

村岸 理美