介護サービスの利用料は、同じ内容でも住んでいる地域によって変わることがあります。訪問介護などを1万単位利用した場合、1割負担の試算では東京23区と上乗せのない地域で月1400円の差が生じます。この記事では、介護報酬の地域区分の仕組みと、2027年度に予定される見直し案の内容をわかりやすく解説します。
1. 介護サービスの料金は「単位数×1単位の単価」で決まり、単価は住む地域とサービスで10円〜11.40円
まずは、介護サービスの料金がどのように決まるのかを確認します。
1.1 単位数に単価を掛けた額のうち、1〜3割が自己負担
介護報酬は、サービスごとに決まった単位数に、1単位の単価を掛けて計算します。この額が事業者に支払われるサービス費で、そのうち1割、2割または3割が利用者の自己負担です。
介護保険法では、介護報酬は事業所がある地域なども考慮して設定するとされています。介護の仕事をする人の賃金には地域差があるため、地域ごとに1単位の単価を変えて反映しています。
1.2 人件費の割合で、単価の上限は11.40円・11.10円・10.90円
1単位の単価は、サービスの費用に占める人件費の割合で3つに分かれます。人件費割合70%の訪問介護、訪問看護、居宅介護支援などは10円から11.40円、55%の通所リハビリテーションや短期入所生活介護などは10円から11.10円です。45%の通所介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、特定施設入居者生活介護などは10円から10.90円です。
介護報酬の1単位の単価は、地域とサービスによって10円から11.40円まで分かれています。1/6
出所:厚生労働省「地域区分(改定の方向性)」(第272回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3)をもとにLIMO編集部作成
2. 1単位の上乗せは東京23区(1級地)が20%、上乗せのない地域は1292自治体
次に、地域ごとの上乗せ割合と、それぞれに当たる自治体の数を見ていきます。
2.1 1級地20%から7級地3%まで、8つの区分
地域区分は1級地から7級地と「その他」の8つです。上乗せ割合は、1級地が20%、2級地が16%、3級地が15%、4級地が12%、5級地が10%、6級地が6%、7級地が3%、その他は0%です。2024年度から2026年度の自治体数は、1級地が23、7級地が170、その他が1292でした。
2.2 2級地は横浜市・大阪市など、7級地は札幌市など
1級地は東京都の特別区です。2級地には横浜市、川崎市、大阪市など、3級地にはさいたま市、千葉市、名古屋市などが含まれます。5級地には京都市、広島市、福岡市など、7級地には札幌市などが含まれます。
ここからは、同じ単位数のサービスを使った場合に、地域によって自己負担がいくら変わるかを計算します。