6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:旧紙幣は「使えるか」と「預けるときの手数料」を分けて見る
旧紙幣の一万円札が使えなくなるかという問いへの答えは、日本銀行法と日本銀行の案内のとおり「特別な措置がない限り使える」です。新紙幣が出たことだけを理由に、旧紙幣の価値が変わることはありません。
一方で、銀行の窓口で預けるときの手数料は、お札の種類で分かれます。大手3行の料金表では、1984年11月以降の福沢諭吉・夏目漱石などのお札は旧紙幣の取扱手数料の対象外で、それより前の聖徳太子などのお札が対象です。
数字の読み方として一つ挙げると、旧紙幣の取扱手数料は「100枚まで」同じ額です。聖徳太子の一万円札10枚(10万円分)で990円なら約1%ですが、100枚(100万円分)でも990円なら約0.1%です。同じ銀行に何回かに分けて持ち込むより、まとめて1回で手続きするほうが、割合は小さくなります。
家計の一般論として、お金の手続きは「何に、いくらかかるか」を先に料金表で確かめておくと迷いにくくなります。旧紙幣も、預ける銀行の料金表と取扱手数料の対象外の一覧を見てから窓口に行くと、手数料の有無を前もって知ることができます。
現金のまま置くお金と口座で管理するお金を分けて考えると、使い道を決めやすくなります。旧紙幣が手元にあるときも、使える根拠と手数料を確かめたうえで、口座に預けるかどうかを決めていただきたいところです。
7. まとめ
旧紙幣の一万円札は、新紙幣が出ても日本銀行法で額面どおり使えます。銀行の窓口で預けるときの手数料は、大手3行の料金表では1984年11月以降のお札は対象外で、聖徳太子などそれより前のお札は100枚まで770円〜990円です。
「旧紙幣が使えなくなる」「交換する」という電話や訪問があったときは、応じずに警察相談専用電話「#9110」か最寄りの警察署に相談しましょう。日本銀行での引き換えを考えるときは、来店する本支店に予約をしてから出かけると安心です。
※本記事の手数料の比較は、2026年10月時点で大手3行のウェブサイトに載っている料金表をもとにした一定の前提での比較です。取り扱いや手数料は変わることがあるため、実際の手続きの前に各銀行や日本銀行の本支店でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「日本銀行法」
- 日本銀行「これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか?古いお札を持っていますが、現在も使えますか?」
- 日本銀行「現在発行されている銀行券・貨幣」
- 日本銀行「その他有効な銀行券・貨幣」
- 日本銀行「新券発行開始後の引換えに関する留意事項について」
- 日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」
- 財務省「「現行の日本銀行券が使えなくなる」などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にご注意ください」
- 政府広報オンライン「2024年7月3日、新しいお札が発行!」
- 政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」
- 三菱UFJ銀行「その他手数料」
- 三井住友銀行「両替」
- みずほ銀行「旧券・旧貨・記念貨取扱手数料の新設について」
- みずほ銀行「その他手数料一覧」
下村 美乃莉