2024年7月3日に新紙幣が発行されてから、旧紙幣の一万円札は今後使えなくなるのか、という問いをいまも目にします。旧紙幣の一万円札は、法律の上では新紙幣と同じく額面どおり使えます。

ただ、「お札として使えるか」と「銀行に預けるときに手数料がかかるか」は分けて確かめておきたい点です。ここでは、日本銀行の案内と大手3行の料金表をもとに、旧紙幣が使える根拠と、預け入れ・両替・日本銀行での引き換えの違いを整理します。

比べるのは、同じ一万円札10枚(10万円分)を、銀行の窓口で預け入れる場合、窓口で両替する場合、日本銀行の本支店で引き換える場合の手数料と手間です。

※大手3行は、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行です。手数料は、2026年10月時点で各行のウェブサイトに載っている料金表(消費税込)をもとにしています。

1. 旧紙幣の一万円札は使えなくなる?日本銀行法で「法貨として無制限に通用」し、発行が終わったお札も特別な措置がなければ額面どおり使える

日本銀行法第46条第2項は、日本銀行が発行する銀行券について「法貨として無制限に通用する」と定めています。新紙幣が出ても、この扱いは旧紙幣も同じです。

日本銀行「教えて!にちぎん」によると、日本銀行がこれまでに発行した銀行券は56種類で、そのうち25種類が現在も有効です。一度発行された銀行券は、法令に基づく特別な措置がとられない限り、通用力を失うことはないとされています。

  • 【通用力が失われた銀行券】31種類(特別な措置は過去3回)
  • 【1回目】関東大震災後の焼失兌換券の整理(1927年)
  • 【2回目】終戦直後のいわゆる新円切り替え(1946年)
  • 【3回目】1円未満の小額通貨の整理(1953年)

一万円札について、日本銀行の「現在発行されている銀行券・貨幣」と「その他有効な銀行券・貨幣」の案内を並べると、次のとおりです。

  • 【渋沢栄一】2024年7月3日発行開始(現在発行されている銀行券)
  • 【福沢諭吉・2004年発行開始】2004年11月1日発行開始(現在発行されている銀行券)
  • 【福沢諭吉・1984年発行開始】1984年11月1日発行開始、2007年4月2日発行停止(現在発行されていないが有効な銀行券)
  • 【聖徳太子】1958年12月1日発行開始、1986年1月4日発行停止(現在発行されていないが有効な銀行券)

新紙幣より前の一万円札は、いずれも「有効な銀行券」に入っています。ここでは、2024年7月3日の新紙幣より前に発行が始まったお札をまとめて旧紙幣と呼びます。